愛媛県松山市に本社を置くパルソフトウェアサービス(パルソフト、大西雅人社長)は、従来の受託開発を行う一方で、自社製品の開発をより強化している。とくに、マイナンバー(社会保障・税番号)対策としても活用できる秘密分散ソフト「SplitDisk(スプリットディスク)」に手ごたえを感じており、全国規模での製品展開を推し進めている。

 パルソフトは、1990年に創業し、ソフトウェアの受託開発などを手がけている。同時に、5年ほど前から自社製品の開発にも積極的に取り組んでおり、医療機関向けにiPadを利用した問診票アプリの「BEARーD」や手術器具管理システムの「SIMSAFE」、害獣対策用の遠隔監視型捕獲システムの「HUNTINGMASTER」を含む、遠隔監視装置「BeagleOneシリーズ」など、さまざまな製品を世に送り出してきた。

兼築史季
事業部長
 そうした自社開発製品のなかでも、最近とくに期待をみせているのが、昨年10月に発売した秘密分散ソフトウェアSplitDiskだ。SplitDiskでは、機密情報などが入ったファイルをSplitDiskドライブへドラッグするだけで、USB、ハードディスク、クラウドなどのあらかじめ指定した場所に、最大4か所まで秘密分散技術を用いてファイルを自動的に分散して保存できる。秘密分散されたファイル片自体は無意味なデータとなっているため、「機密情報が機密ではなくなり、ファイルを安全に管理できる」(兼築史季・東京支店長システム開発事業部事業部長)。秘密分散されたファイルは、ピースをすべて集めるか、しきい値方式で、一定数のピースを揃えると復元することが可能。機密ファイルを受け渡す際には、データを2分割し、1片をメールで相手へ送信、もう1片をクラウド上に保存・共有することで、暗号化などの作業を必要とせず、安全にやりとりができる。
 SplitDiskは、全国社会保険労務士連合会の推奨商品として認定されており、兼築事業部長は、「マイナンバーの管理に有効なツールとして評価をいただいている」とアピール。「ファイル片だけではデータとして意味をなさないため、“万が一データが漏れてしまっても大丈夫”ということが受けている。社労士からの引き合いが多いが、一般企業での導入も進んでいる」と話す。

 一方で現在、世の中のマイナンバー対策商戦が下火であることを背景に、「今後、多くの企業が本格的にマイナンバー対策導入に動き出すだろう。そのときを見計らって、今のうちに世の中にどれだけSplitDiskを知ってもらえるかが勝負となる」。そのため、SplitDiskの総販売代理店であるアステックを中心に、販売店を活用したパートナー戦略で、全国規模での認知度の拡大と製品の拡販に動いている。

 パルソフトとしては、「現在、会社全体の売り上げのうち、自社製品が占める割合は3分の一ほどだが、今後2、3年で売り上げの半分は自社製品になるだろう」として、今後も自社製品の開発に力を入れていく方針だ。(前田幸慧)