【北京発】5月30日、「スマートサミット及び2016ソフトウェア・情報サービス国際企業交流会(CSSS)」が開催された。北京服務外包企業協会(BASS、鐘明博理事長)や北京市海淀区商務委員会などが共催する年次イベントで、今年は日本の情報サービス産業協会(JISA)も後援。中国本土だけでなく、台湾、日本、インドなどの国内外から約150人が参加した。(真鍋 武)

BASS
鐘明博
理事長
 イベント冒頭の基調講演では、BASSの鐘理事長が北京サービスアウトソーシング業の現状を紹介。「ビジネスモデルが変わった。競争モデルは、人の数を生かした“価格”の競争から“価値”の競争へ変わった。そして、高い付加価値を実現するために、IT企業は各業界との深い融合を推進している」とした。近年、BASSの会員では、下請けのシステム開発ではなく、エンドユーザーとの直接取引によるITソリューション・サービスの提供に力を注ぐ企業が増えている。例えば、文思海輝技術(Pactera)は、中国の金融業を中心にITソリューション事業を拡大し、ビジネスモデルの転換に成功している。

 一方、新規参入したIT企業に関しては鐘理事長は、「従来型(下請けのシステム開発)の道を歩んでいない。新しいビジネスモデルで、直接クライアントと接触している」と説明。「これからの新興企業には、今日のリーディングカンパニーよりもすぐれた企業が現れるだろう」と期待を示した。

JISA
大須賀正之
グローバルビジネス
研究会
代表幹事
 JISAからは、グローバルビジネス研究会の大須賀正之・代表幹事が参加し、日本の情報産業の現在と今後の展望について基調講演した。大須賀代表幹事は、欧州の調査会社EITOのデータを引用し、「日本のICT市場規模は中国のほぼ半分だ。しかし、両国には市場構成に大きな違いがある」と説明。例として、ICT市場に占めるテレコムの構成比が中国は約80%であるのに対して日本は50%、ITサービスの構成比は中国が約10%で日本は30%など、相違点を挙げた。

 また、日本の情報サービス業について、産業別売上構成比に占める製造業、金融・保険業、卸売・小売業の割合が高いことを挙げ、「これらの産業は、現在ホットなFinTechやIoT、AIなどを積極的に活用している業界だ」と説明。こうした技術を活用することで実現されるデジタル化については、「一つの企業、一つの国では、成し遂げることができない。お互いの強みをもちより、協力して初めて実現できる。日本と中国をはじめとする各国が協力していくことが重要だ」と述べた。

 このほかイベントでは、2015年に北京サービスアウトソーシング業界の発展に貢献した企業の表彰も行われた。BASS会員企業のうち10社が選ばれ、日系では、各種業界向けのクラウドプラットフォームを提供する日立解決方案(中国)と、ホテル業向けソリューション「NEC Smart Hospitality Solutions」をリリースしたNEC(中国)が表彰された。