7月21日、ソフトバンク(宮内謙代表取締役社長兼CEO)、ソフトバンク コマース&サービス(溝口泰雄代表取締役社長兼CEO)、ソフトバンクロボティクス(冨澤文秀代表取締役社長)の3社が主催する、2016年度最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2016」が、東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京で開幕した。

 基調講演に登壇したソフトバンクグループの孫正義代表取締役社長は、冒頭、英ARM(アーム)の買収に触れて「ソフトバンクの今までの事業とのシナジーが見えない、と株価は下がった。だが、アームの買収を囲碁に例えるならば、飛び石だ。今持っているものに足し算をするのであれば、近くに石を置けばいいが、必ずしもすぐそばに置く人が勝つとは限らない。なぜそこに石を置いたのか、その1点に打つ必要性は。囲碁の世界に命を懸ける人ならばわかるだろう」と、自分の考えを囲碁に例えて説明した。

 また「40年前、ソフトバンクの原点であるコンピュータと出会った。非常に大きなメインフレームが指先に乗ることを知り、感動して痺れるという状態を知った。この40年間封印していたその感動、19歳の時に知ったあの感動に、もう一度出会えるという思いだ」(孫社長)と、創業時を振り返りつつ現在の思いを吐露した。
 

会見に登壇した孫社長

 アーム買収については、「昨年のこの講演で、コンピュータが人間の知的能力を超える『シンギュラリティ』が必ず到来すると話した。これに向けて、出した答えがアームだった。人類の知性をはるかに超える超知性との巡り合いに備え、アームのチップを使用して膨大なデータを集める必要がある。今から20年以内に、約1兆個のチップをこの地球上にばらまくことで、地上に存在するあらゆるものを瞬時に集め、その超知性を活用したスマートロボットが我々人類のコンパニオンとなる」(孫社長)と説明。アームとすすめる今後の方向性の一端を示した。

 なぜアームか、との点について孫社長は「Androidで一番使われているクアルコムやエヌビディア、サムスンなど多くのデバイスにはすでに複数個のチップが入っているし、現在のデバイスの重要な要素である省電力性にも長けている。OSを持っているうえに、IoTがすすむ世界でより重要となるセキュリティ面でも特許を持ち、チップの一つひとつがハードウェア的に異なった鍵をもつことが可能だ。シンギュラリティというキーワードのなかで最も重要な飛び石、布石となる。アームはソフトバンクグループの中核になる会社」と語った。
 

現段階ですでに多くのデバイスに入っているアーム
 

爆発的に出荷台数を増やしている
 

IoTデバイスの増加とともに、さらに出荷が増えると予測される
 

「現時点の車でこれだけ入っている。IoTが普及した未来、ある日突然、車や飛行機が機能を失ったらどうか」(孫社長)とセキュリティの重要性を訴える
 

アームが実現するセキュリティ

 今後のソフトバンクグループについては「パラダイムシフトとともにソフトバンクは出世魚のように本業を変えてきた。今は携帯電話の会社というイメージが強いが、少し前はインターネット、その前の創業時はソフトウェアの卸問屋だった。だが、一直線でここまで辿り着いた。これから人類史上最大のパラダイムシフトを迎えるにあたり、事故の起きない社会の創造を目指してインフラを進化させ、情報革命で人々を幸せにする」(孫社長)と意気込んだ。
 

パラダイムシフトとともに変えてきた同社の事業。「情報の革命屋」と自称した

 会場では「Pepper World 2016 夏」も同時開催。「Pepper for Biz」向けの新サービスの一環として「Pepperのお客様対応力向上コンテンツ by CrowdWorks」を8月より順次提供するほか、「ロボデコレーション」をキャラクターとして利用できるライセンス制度を8月2日からスタートする。こうした発表と連動、基調講演の最後にはPepper自らが登壇して、Pepper World 2016 夏の見どころを伝えていた。
 

登壇するPepper

本イベントは本日と明日(7月21-22日)の計2日間開催される。