業務ソフト大手のピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)は、東アジア、東南アジアの有力業務ソフトメーカーやその販売代理店と連携し、会計・ERPソフトのグローバル・アライアンス・グループ「ALAE」を設立、運営している。海外に進出する日本企業に対して、現地の法制度に対応した会計・ERPソフトの導入を支援し、PCAの主力製品である「PCA会計X」とのデータ連携も実現するというコンセプトだ。これにより、多言語多通貨対応のERPパッケージを導入するのが難しいSMBでも、低コストで業績管理を一元化できるようになるという。

 中国市場については、中国最大手のERP・会計ソフトメーカーである用友の販売代理店であるAnwillがALAEに加盟している。7月には、用友のグループ企業であり、ERP「U8」などSMB向け製品を手がける用友優普信息技術(用友UP)の向奇漢総裁がPCAのプライベートイベントに合わせて来日し、PCAとのメーカー同士の連携も深まっていることをうかがわせた。向総裁とPCA・水谷社長の両トップに、ALAEの現状や展望、今後の活動への期待などを聞いた。

握手を交わすPCAの水谷学社長(左)と
用友優普信息技術の向奇漢総裁
――ALAEをどう評価するか。

 中堅・中小企業も含めて、非常に多くの日系企業が中国や他の地域に進出してきているが、彼らのニーズに応えるには、一つの国の製品だけでは不十分だろう。各国の会計・ERPパッケージメーカー同士が力を合わせて、トータルサービスを提供できる仕組みは非常に有効だと考えている。用友UPがALAEに貢献できているのはうれしいことだ。

水谷 郷に入っては郷に従えという言葉があるが、海外ビジネスは現地のスタッフを雇って現地化を進めるのが成功のためのポイントであり、中国では中国のソフトウェアを使うのが一番無駄がなく、社会の仕組みにマッチしている。その意味でも各国トップメーカーと連携し、PCAユーザーがローコストでリアルタイムに海外拠点の財務を管理できる仕組みをつくったことは大きい。

 会計データの連携と一言でいってしまうと一見簡単にみえるかもしれないが、現地から単純にデータを送ってもらうだけでは日本の本社の期待どおりのデータは揃わない。用友とPCAのようなソフトメーカー同士のアライアンスだからこそ、共通フォーマットでスムーズに連携でき、かつそれが将来にわたって保証される仕組みが構築できた。

――これからALAEがどんなかたちで発展していくことを期待するか。

 ようやくALAEは基礎ができた。現状、中国市場の場合は、用友UPのU8などを主に日系のお客様に提供し、PCA会計と共通フォーマットでデータ連携させるかたちになっている。一方で、中国企業が日本に進出する事例も出てきているので、そういうお客様に対するサービスも提供できるように、ALAEの規模や事業範囲を拡大してもらえるといいのでは。

水谷 現在、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドで現地ソフトから会計データの抽出ができる仕組みをつくっているが、会計データの受け入れが可能なのは、日本と韓国のみ。向さんのおっしゃるようなニーズが大きくなれば、中国側でデータを受け入れられるような仕組みの整備も検討していきたい。

 また、現在は会計データの連携をなるべくたくさんの国のローカルソフトでできるような取り組みを優先して進めているが、将来的には、販売管理や仕入れ、在庫管理など、周辺の機能モジュールでのデータ連携も模索していく方針だ。(本多和幸)