ポスト「Flash」を狙う――。ミドルウェア開発のCRI・ミドルウェア(押見正雄社長)は、スマートフォンを中心に、事実上、閉め出されている動画再生Adobe Flashに代わる「LiveAct PRO(ライブアクトプロ)」を開発した。LiveAct PROを使えば、タップ操作で動画を自在に操るといった従来のFlashのような操作感を、特別なアプリケーションソフトをインストールすることなく、再現できるのが最大の特徴だ。

「LiveAct」を使った画面イメージの一例

 ネット通販やeラーニング用の教材、アプリケーションソフトのUI(ユーザーインターフェース)といった分野でインタラクティブ(双方向)な操作感を実現。とりわけスマートフォンやタブレット端末で課題になっていた動画を活用したインタラクティブUIの開発に活用してもらえるよう、システム開発やソフト開発ベンダーへの売り込みに力を入れる。

 パソコン時代のインタラクティブ動画といえばFlashが筆頭だが、iPhoneをはじめFlash排除の動きが顕在化。Android OSを開発するGoogleもFlashに消極的な姿勢をみせていることから、事実上、スマートデバイス上からFlashが閉め出されたかたちになっている。

 ここに着目したCRI・ミドルウェアは、独自にインタラクティブ動画のフォーマット「LiveAct PRO」を開発。この10月からSIerやソフト開発会社向けの販売を本格化させた。

幅朝徳
部長
 現在、動画フォーマットは「MP4」と呼ばれる形式が標準だが、高精細で美しい映像表現が可能な反面、動画ファイルの容量が大きかったり、インタラクティブ性が乏しかったりと、軽量コンパクトなFlashを置き換えるような存在ではなかった。Javaスクリプトを駆使すれば、Flashのような表現は可能ではあるが、スクリプト制作に技術者を動員する“力技”が求められていた。CRI・ミドルウェアの幅朝徳・ソリューション事業開発部部長は「LiveAct PROによって、スマートフォンやタブレット端末でのインタラクティブ動画が、気軽に早く制作できるようになる」と話す。

 先行ユーザーとして、オークローンマーケティング(名古屋市)が運営する女性向けネット通販の「STORICO(ストリコ)」が採用。システム構築はSCSKグループのSCSKプレッシェンドが担当している。ほかにも、ユーザー個々に最適化した「パーソナライズド動画での引き合いも増えている」(幅部長)という。例えば、保険の営業で最適な保険プランを短い動画にまとめて提案することで、ユーザーが容易に理解できる。もし、これをMP4で制作すれば人数分の動画を用意することになり、サーバー側の容量を大幅に増やさなければならない。LiveAct PROでは、ユーザーが閲覧するときに、リアルタイムで動画を生成するため、容量を小さく抑えられ、パーソナライズド動画に適している。

 CRI・ミドルウェアでは、こうした強みを前面に押し出し、SIerなどのビジネスパートナーと連携していくことで、向こう3年で累計300社からの受注獲得を目指していく方針だ。(安藤章司)