富士通システムズ・イースト(石川享社長)は、マイクロソフトの情報共有基盤「Office 365」を短期間で導入するサービス「FUJITSU インフラ構築 Ready-made for Office 365」を、この10月末から本格的に始めた。従業員数1000人以上の大規模ユーザーをターゲットとしたもので、従来の個別のSI(システム構築)方式に比べて、要件定義から運用開始までの工数や作業期間を最大で約50%削減。ユーザー企業が、SIのコストを抑えつつ、すばやく、グローバル規模の情報共有基盤を導入できるようにするものだ。

 Office 365は、マイクロソフトがクラウド/SaaS方式で提供するサービスである。富士通システムズ・イーストの主な顧客である従業員1000人以上の大規模ユーザーにおいては、「クラウド/SaaS方式を評価してOffice 365を選択している」(二谷大介・クラウドソリューション部部長)という。

写真右から二谷大介部長、小野 覚課長

 クラウド/SaaS方式であれば、SIの工数も少なくてすむと思われるが、実は導入に際しての「計画」や「運用」に多大な工数がかかることが多いという。富士通システムズ・イーストでは、累計およそ100社にOffice 365を納入しているが、「企業規模が大きくなればなるほど、セキュリティポリシーや運用体制との整合性を高めるのに時間と手間がかかる」(小野覚・クラウドソリューション部プロジェクト課長)ことがあきらかになっている。パッケージ製品のOffice 365の側に手を入れるわけにもいかず、どのように利用するかの「計画」や「運用」でギャップを埋めていく手法が採られる。

 そこで、今回投入したFUJITSU インフラ構築 Ready-made for Office 365では、あらかじめ「計画」や「運用」に関するノウハウをサービス化、メニュー化することで、本稼働までの工数を半減させる。「工数半減」のところだけみれば、単純に富士通システムズ・イースト側の売り上げも半減してしまうことになるが、「顧客の求めているのは、SI工数ではなく、計画や運用のノウハウの部分」(二谷部長)だとし、Ready-made for Office 365では、ノウハウをビジネス化する点に焦点を絞った。

 Office 365は、富士通グループの世界約16万人の従業員の情報共有基盤としても採用しており、なおかつ富士通システムズ・イースト自身のノウハウも蓄積されていることから、導入計画の立案や運用の「ノウハウ領域」でこそライバル他社との差異化が可能となり、競争優位につながると判断した。

 情報共有基盤の「SharePoint」、電子メールの「Exchange」、オンラインストレージの「OneDrive」、ビデオ通話の「Skype」といったマイクロソフトの製品/サービスに加え、富士通が独自に開発したメール誤送信防止機能や、スマートフォンなどのモバイル端末にメールデータを保存させない機能、グローバルでの情報共有を意識した翻訳機能、ヘルプデスクなどの付加価値もあわせて提供する。こうした取り組みによって、2018年3月期までに累計およそ200社からReady-made方式を含むOffice 365の受注を目指す方針だ。富士通システムズ・イーストは11月1日付で富士通本体と統合するが、統合後は富士通自身のサービスとして展開していく。(安藤章司)