金融機関や証券取引所向けにハイパフォーマンストレーディングのための監視・分析ソリューションを提供するアイルランドのCorvilが、日本市場での拡販を本格化させようとしている。大久保淳仁・日本支社長は、「日本市場での認知度を高めるとともに、代理店戦略なども考えていきたい」と話す。

電子トレーディングは、ITインフラのパフォーマンスに業務そのものが大きく影響を受けるという特性がある。そのため、激しく変動するデータ処理量に対応したトレーディングシステム全体のパフォーマンスの最適化、さらにはインシデントの迅速なトラブルシューティングが重要な課題となっている。
 
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大久保淳仁
日本支社長

 Corvilは、こうした課題を解決し、トレーディング業務の可視化、最適化を支援するツールを提供している。電子トレーディングのネットワークにCorvilのアプライアンス製品を接続するだけで、システムのパフォーマンスに影響を与えることなく、ネットワーク経由ですべてのトレーディングデータとマーケットデータを抽出し、分析、レポーティングができるようになるという。すべてのトレーディング/マーケットアクティビティを全方位で監視し、最適な運用をサポートできるのが特徴だ。

また、国際的な規制要件も厳格化しており、トレーディングのリアルタイム監視、マイクロ秒単位で時刻に同期した高精度なデータの保存などが求められるようになっている。Corvilは、1台のアプライアンスで、マイクロ秒単位の高精度タイムスタンプの発行や取引データのデコード、任意の取引の抽出といった多様な機能を実現する。こうした規制の厳格化の背景には、アルゴリズムにより高速・高頻度の取引を行うHFT(High Frequency Trade)が浸透してきたことで、相場操縦的行為などを防止すべく、その管理・監視の必要性が高まっているという事情がある。Corvilは、こうした“マシン”によるアルゴリズム取引にも対応できるソリューションを提供しており、「Machine-Time Analytics Platformというコンセプトを市場に訴求していきたい」(大久保支社長)としている。

 同社は現在、本社のあるアイルランド・ダブリンのほか、東京など世界8か国に拠点を置く。29か国120社の導入実績があり、グローバル大手20社の証券会社すべてがCorvilのソリューションを採用しているという。日本国内でも、東京証券取引所が採用している。大久保支社長は、「トレーディングのスピードは今後もどんどん速くなっていく。マーケットの安定性を守るという観点でも、当社のソリューションのニーズはますます大きくなるはず」と市場のポテンシャルに期待を寄せる。現在は、インテリジェント・ウェイブが国内の代理店を務め、リード創出はCorvilが自ら行っているが、徐々に販路を拡大していきたい考えだ。(本多和幸)