GPUメーカーのNVIDIAは1月26日、VR(仮想現実)の最新技術や産業界での導入事例の紹介を目的に、ベンダー向けのイベント「NVIDIA Pro VR DAY 2017」を東京・秋葉原で開催した。同社の業務用VR部門で代表を務めるボブ・ペティー・バイスプレジデントが講演し、「マーケティングの分野にVRの一番大きなチャンスがある」と述べた。

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ボブ・ペティー
バイスプレジデント

 「このなかで製造業に関わっている人は」と、講演の冒頭で、ペティー氏が職業に関する質問を会場に投げかけた。出席者が手を挙げて答えるなか、ペティー氏はこう続けた。「生活に影響を与えるさまざまなものに、私たちのテクノロジーが使われるようになった」。

 VRやAR(拡張現実)の市場規模は、各種調査で右肩上がりが続くと予想されている。ペティー氏も「2025年までに850億ドル規模の市場になるとほとんどの人が予測しており、このうち700億ドルがビジネス向けだ」と述べ、製造業などですでにVRの活用が進んでいると説明した。

 そのうえで「VRはただ単に『つくる』という部分だけで使っているのではなく、売り上げを伸ばすマーケティングの分野で使われ始めている」とペティー氏。「これから先は、VRでものができて、買い物もできるようになる。今できることだけに目を向けるのではなく、2、3年後に何ができるかを考えてほしい」と呼びかけた。

 VRの最新事例については、図面なしでレース用の車のデザインに取り組んでいることや、米国の本社屋の建設に活用していることを紹介。将来の見通しに関しては、「別々の場所にいながら、同じ場所で話をしているような感覚を覚えるVRが必要だと思う。その方向に向かって研究を進めている」と語った。

 一方、「人間が自分で得られる視野角はまだ実現できていない。目と目の間の距離や、焦点深度といったことが今後の課題だ」と説明。映像の遅延や不自然な音の聞こえ方で気分が悪くなる「VR酔い」を防ぐことも課題との認識を示し、映像や音だけでなく、触感も追求し、より現実に近いVRの開発を目指すと強調した。

 イベントでは、HTC Nipponとグラフィソフトジャパン、Z-Up Research、SCSK、OPTIS Japan、ボーンデジタルの計6社が、最新のVRソリューションについて紹介した。実際にVRが体験できる展示コーナーもあった。(廣瀬秀平)