週刊BCNは10月20日、石川県金沢市のTKP金沢カンファレンスセンター で、「SIer・リセラー必聴!“半歩先”がみえるITトレンドセミナー~新たな事業展開のヒントがココに~」と題し、セミナーを開催した。この日は、協賛セッションとして、ヴィーム・ソフトウェア、キヤノンITソリューションズ、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン、アークシステムマネジメントの4社が登壇し、自社の製品・サービスやパートナー施策を紹介したほか、基調講演とBCN主催者講演を実施し、地元のITベンダーが聴講した。

 基調講演では、クラウド利用促進機構の森洋一・総合アドバイザーテクノロジー・リサーチャーが「米自動運転車開発にみるIT産業のパラダイム・シフト!」と題し講演した。森リサーチャーは、インターネット時代が到来してからITバブルが崩壊したあと、オープンソースが活況となり、クラウドの時代が来たことなど、IT業界の世界的な流れを説明したあと、米国の自動運転車の動きと、自動運転がIT産業におよぼす影響を解説した。

 森リサーチャーは「ビッグデータは欠かすことができない基盤のテクノロジーだ。また、自動運転車はセンサを大量に搭載しており、今日的な課題であるビッグデータ、AI、IoTを学ぶ、利用するには、格好の材料だ」と述べた。また、米運輸省が定めた自動運転車のレベル定義を説明したあと、「テスラは、『レベル2』のトップレベルの車を出している。この車にはオートパイロットというソフトウェアが入っている。車の至近距離や遠距離を認識するセンサを大量に搭載している。肝は8台のカメラを使っていること。それらのデータは瞬時にNVIDIAに入り制御する。日本のトヨタ自動車は、このNVIDIAと提携を発表している」(森リサーチャー)と、自動運転車で先行する米国の自動車メーカーを題材に、NVIDIAの活躍や先端テクノロジーを解説した。

 森リサーチャーは、「自動車産業は、非常に大きなパラダイム・シフトを起こしている。そこにAIやIoTなどのテクノロジーが貢献している。翻って、IT産業はどうすべきか。いままで慣れ親しんだ世界は、企業のバックオフィスを中心に仕事をしてきた。向かう先は、工場の生産工場や製品化された商品だ。別な表現をすると、バックオフィスではデジタル処理をしていたが、アナログのデジタル化が求められている」と、IT産業全体を展望し、「ITと機械を融合した産業の大変革が始まっている」とした。
 
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クラウド利用促進機構の森洋一・総合アドバイザーテクノロジー・リサーチャー

 続いて、協賛講演のセッション1では、ヴィーム・ソフトウェアの四本史彦・ディストリビューション・マネージャーが、「デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる先進のデータ保護対策とは?~今世界中で注目されるアベイラビリティによるデータ保護とは?~」と題し、同社の直感的で操作が簡単であるや仮想環境にあるアプリを丸ごと戻せることなどが特徴の製品を紹介した。

 四本マネージャーは、「日本法人は昨年設立したが、すでに国内で1000社以上に導入した。一般的に当社はバックアップの会社といわれているが、事業継続を実現するアベイラビリティ、無停止のビジネス継続性を担保する会社だ。クラウド環境でのサービス、アプリ、データの可用性を提供している。仮想化に対応するソフトだ」とし、「Veeam Availability Platform」などの特徴を話した。
 
 仮想化技術は、さらに進化している。ただ、「オンプレミスから仮想化に代わる時の課題は、VMwareで稼働するアプリの整合性が保障できなかったり、ストレージの負荷増大などがある。何かあったら、すぐに戻せることが重要だ」と話した。これらを解決する「Veeam Availability Platform」は、エージェントレスであり、システム構成が柔軟で、負荷の低減と高速処理を可能にするストレージ連携が可能であることなどに特徴があると述べた。

 四本マネージャーは、「最近流行し急激に需要が増しているハイパー・コンバージド・インフラ(HCI)との親和性が高くなっている。当社は、VSANの認定資格を唯一取得している。バックアップしてVSAN環境に戻した時、もう一度設定が必要ない」と、各種メーカーの製品との親和性のよさを強調した上で、武田薬品工業などの導入事例を示した。
 
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ヴィーム・ソフトウェアの四本史彦・ディストリビューション・マネージャー

 セッション2では、キヤノンITソリューションズの基盤・セキュリティソリューション企画センター技術サポート部技術サポート一課の西浦真一氏が、「2017年12月までに実施できるセキュリティ対策、教えます~2017年上半期のセキュリティ動向から考える、『UTM活用術』~ 」と題し、次世代ファイアウォールUTMの「CLAVISTER」を中心に製品・サービスを紹介した。

 西浦氏は冒頭で、「当社のセキュリティ製品は、メール無害化やメール誤送信対策、エンドポイント・マルウェア対策などを取り扱っている。日本のビジネス環境に合った最適なソリューションを提供している」と、幅広い製品ラインアップを紹介した上で、最近のセキュリティ事情などを説明した。

 この中で、世界で被害が出たランサムウェア「WannaCryptor」の状況を解説。「感染が拡大した要因は、自己複製するワームとしての機能を併せ持ち、拡散にぜい弱性エターナルブルーを利用し、パソコンのぜい弱性を悪用してネット経由で感染させた」(西浦氏)とした。また、2017年上半期の国内検出のマルウェア上位10種を説明し、「上位は、メール経由により他のマルウェアをダウンロードする『ダウンローダ』による侵入が多くを占めている」(同)と述べた。

 このあと西浦氏は、「こうしたサイバー攻撃は複数の段階を経て実施される」とし、「CLAVISTER」がもつ複数機能を包括的に組み合わせた多層防御による対策を挙げた。「複数の機能による包括的な対策を、個別に実施すると時間もコストもかかる。そこで当社が勧めているのが、完全自社開発の次世代ファイアウォールUTMの『CLAVISTER』でまとめて防御することだ。自社開発製品のため、OSS・Linuxカーネルによるぜい弱性の影響がない」(同)と強調した。
 
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キヤノンITソリューションズの基盤・セキュリティソリューション企画センター技術サポート部
技術サポート一課の西浦真一氏

 セッション3では、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンの古平貴也・営業部チャネルアカウントマネージャが登壇し、「2017年上半期最新の脅威レポートから読み解く、すぐに提案できる対策とこれから必要になる対策とは?」をテーマに解説。ベストインクラスなセキュリティを安価に提供している、同社のUTM製品を説明した。

 古平マネージャは、「専門ベンダーの高セキュリティ機能により多層防御をシンプルに実現している。競合メーカーに比べて価格、強靭性が上回り、圧倒的なパフォーマンスを有する。5人から5000人規模の企業まで、さまざまな製品を展開し、仮想化にも対応している」とした上で、ランサムウェアの被害について解説した。「標的型攻撃対策と同様に多層防御はランサムウェアに対しても有効な対策だ。導入時の入口対策、感染を防ぐ内部対策、外部との通信時の出口対策が必要。エンドポイント・セキュリティでは、新機能を追加した」(同)と述べた。

 新機能の「Threat Detection and Response」については、「ネットワークとエンドポイントそれぞれで検知したイベントに関する情報を、クラウドの共通基盤に集約して解析する。UTMを導入すれば、すべてのエンドポイント・セキュリティを実現できる」(古平マネージャ)と、脅威検知とイシデント対応の自動化を実現していることを強調した。また、これから必要になるセキュリティ対策を解説した。

 古平マネージャは、「ネットワーク・トラフィックが増え続け、通信が高速化している。一方、速度は低下するだけでなく、暗号化トラフィックが急増している。暗号化通信でパフォーマンスが悪化することで、セキュリティ対策を妥協する企業が多い。多層防御機能を持っていること、暗号化通信のコンテンツインスペクション機能があり、パフォーマンスを確保できること、この3点が製品を選択する上で重要である」と述べた上で、販売店向けに月額提供のUTM製品プログラムや管理基盤を無償で用意していることを告げた。
 
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ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンの 古平貴也・営業部チャネルアカウントマネージャ

 セッション4では、アークシステムマネジメントの寺本佳弘・営業本部営業技術部長が、「NAS型データ共有とデータ保全アプラアンスおよびHCI構成統合ソリューションのご紹介」と題し、NASデータ共有&保全アプライアンス「STOREND」を紹介した。

 この製品について寺本部長は、「ハードウェアREIDで高速でメンテナンスが容易であり、短時間でセットアップができる。シナリオが簡単だ。直感的なセットアップが可能でGUIを使って短時間でセットアップできる。I/Oの速度に影響が出ないようにディスクの調整ができる設計になっている。障害、災害時にセカンダリで運用可能な最小時間単位で同期できる。イメージバックアップのフォーマットで戻すことができる、ダブルプロテクションの構成がある」と、データ保護とリストアなどの特徴を述べた。

 同社は最近、最新版として「STOREND Ⅱ」の販売を開始した。寺本部長は、「Windows ADに完全対応しているほか、バーチャル・ディスクで短時間にハードウェアREIDを構成し、データ保護でスナップショット機能やフォルダ選択、LTOテープの差分・増分の世代管理ができるようになった」と説明した。

 また、使用事例としては、PPTX/PDFデータ共有システムやWindows Workstationのシステムバックアップ、小型NAS統合の事例などを紹介したほか、HCI向けのソリューションを例に挙げて製品の特徴を述べた。
 
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アークシステムマネジメントの寺本佳弘・営業本部営業技術部長

 最後は、BCN主催者講演として、週刊BCNの谷畑良胤編集委員が「デジタルデータを“つなぐ”ことで生まれる新たなビジネス~先端技術を使ったささる提案とは~」と題し講演した。