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週刊BCN、沖縄でSIer・リセラー向けの最新トレンド解説セミナー

2017/04/21 18:33

 週刊BCNは4月21日、「SIer、リセラーのためのITトレンドセミナー~求む!ビジネスパートナー~」と題し、SIerとリセラー向けのセミナーを沖縄県那覇市の沖縄県市町村自治会館で開催した。識者の基調講演、全国展開に注力するベンダーの商材・パートナー戦略説明などに参加者は熱心に耳を傾けた。

 冒頭、内閣府沖縄総合事務局経済産業部地域経済課の多和田悟・情報政策専門官が、「沖縄地域のITビジネスの推進について」と題して、基調講演に登壇した。ITビジネス推進のための沖縄総合事務局の施策を網羅的に解説。内閣府は2017年度の新規事業として、「沖縄型産業中核人材育成事業」に1.8億円の予算を計上している。多和田専門官は、「企業の成長の源となる人材に着目し、マネジメントスキルや将来の成長産業で専門技術をもつ人材など、沖縄の次世代の成長を担う人材を育成し、県内産業の活性化につなげたい」とした。IT産業は、観光産業と並ぶ沖縄県のコア産業の一つと見なされており、多和田専門官は、沖縄県や地元IT業界とも連携しながら、IT人材の育成に注力するという。
 

内閣府沖縄総合事務局経済産業部地域経済課の多和田悟・情報政策専門官

 また、沖縄県のITの世界産業の活躍の場をアジアに向けて拡大すべく、関連施策の司令塔としてオール沖縄で設立を進めている「沖縄IT産業戦略センター」についても、成果を挙げるために主導的な役割を果たしていく意向を示した。

 各セッションでは、現在、市場で大きな注目を集める製品・サービスのベンダーが自社製品のメリットやパートナー戦略について説明した。

 セッション1では、ティントリジャパンの鹿嶋慎吾・西日本支店長は、「業界唯一の仮想化専用ストレージでお客様の課題を簡単に解決~Tintri VMstoreのご紹介~」と題してプレゼンした。鹿嶋支店長は、ストレージのスペシャリストがいなくても、スムーズに導入、拡張、運用管理できる同社製品への支持が高まっていることを強調。実際に構築手順も説明し、「設計が本当になく、箱から出してラッキングしたら、管理用IPを設定してマウント、ハイパーバーザーの情報を入力するだけで本当に構築は終了する」と説明した。結果として、客席への提案プロセスもシンプルになるため、リセラーにとっても非常に扱い安く、ビジネスチャンスが大きい商材であることもアピールした。
 

ティントリジャパンの鹿嶋慎吾・西日本支店長

 セッション2では、ヴィーム・ソフトウェアの吉田幸春・シニア・システムズ・エンジニアが登壇。「仮想化時代に求められる先進のデータ保護対策とは?~今世界中で注目されるアベイラビリティによるデータ保護とは?~」をテーマに同社製品の特徴を解説した。吉田氏は、仮想環境でのデータ保護の課題として、「VM内で稼働するアプリケーションの整合性の保証とアイテム復元、共有ストレージの負荷増大、増大するデータ量、不透明な仮想環境などに対応しなければならない」と指摘。同社の主力製品「Veeam Availability Suite」は、「仮想環境専用のバックアップとレプリケーション機能を実装し、主要ストレージメーカーと連携するとともに、大企業向け製品並みの機能をSMB向け製品レベルの価格で実現する」として、多くのユーザーの課題解決に貢献できる製品だと強調した。
 

ヴィーム・ソフトウェアの吉田幸春・シニア・システムズ・エンジニア

 セッション3で登壇したのは、「すぐそにある危機!メールからの情報漏えい~15年連続国内シェアNo.1のキヤノンITSと一緒に、解決しませんか?~」と題して講演した、キヤノンITソリューションズの基盤・セキュリティソリューション事業部営業三部営業一課の荒木隆志氏だ。メールの誤送信対策ソフトである「GUARDIANWALL Mailファミリー」について、「外部から社内へのメールに添付される悪意あるファイルの受信を止める」「社内から外部へのメールによる顧客情報の持ち出しを防ぐ」「メール誤送信が原因の情報漏えいを防ぐ」といったセキュリティリスク対策上の重要テーマごとに、現実のリスクと照らし合わせながら、対応する個別の機能を説明。また、「小規模から大規模まで、1社でも関連企業も含めたマルチテナントでも、多様な運用形態に対応できるほか、多言語での利用も可能」として、運用の多様性も売りであるとした。
 

キヤノンITソリューションズの基盤・セキュリティソリューション事業部営業三部営業一課の
荒木隆志氏

 セッション4では、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンの猪股修・システムエンジニア部プリセールスエンジニアが登壇した。「ビジネスに差が出る!中堅中小企業のためのトータルセキュリティ対策」と題した講演では、「エンタープライズクラスの強固なセキュリティを中堅・中小企業などに提供する」というコンセプトにもとづき開発・販売している同社UTM製品のメリットを解説した。猪股氏によれば、同社製品は、「入口対策、出口対策だけでなく、端末を特定されても端末自体の乗っ取りを防止する『内部対策』のエンドポイントセキュリティも新たに備え、多彩なエンジンを搭載し、多層防御を1台で実現するUTMとしてさらに進化した」という。また、ゼロデイ攻撃対策の次世代型サンドボックステクノロジーを備えていることも、差異化要因になっているとした。
 

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンの猪股修・システムエンジニア部プリセールスエンジニア

 2回目の基調講演には、クラウド利用推進機構の森洋一・総合アドバイザー・テクノロジー・リサーチャーが登壇し、「米自動運転車開発にみるIT産業のパラダイム・シフト!」について解説した。森氏は、「自動車産業はものすごいパラダイムシフトを起こして、AI、IoT、ビッグデータの活用を進め、新しい自動運転車をつくっている。自動車業界は垂直産業だったが、この新しい動きが水平産業化を促している」と、米グーグルの事例など米国の最新事情を紹介。そのうえで、「いま進んでいるイノベーションはITと機械の融合。それで産業の大変革が起こっている。新しい価値をもつ製品を生み出すことが期待されているし、実際にそれが起こっている」として、ITベンダーが他産業と連携して新しいビジネスチャンスをつかむことも可能だとの見解を示した。
 

クラウド利用推進機構の森洋一・総合アドバイザー・テクノロジー・リサーチャー

 主催者講演として、週刊BCN記者の本多和幸が、FinTechの最新事情などを取材情報をもとに解説した。
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