中国北部の内モンゴル自治区が、データセンター(DC)の誘致を主軸として、ビッグデータ産業に力を注いでいる。2月5日には、同省のウランチャブ市政府がアップルと戦略提携した。アップルはクラウドサービス「iCloud」の中国国内向けDCを同市に設ける。

 アップルが中国に開設するDCは、2月28日に本格稼働する貴州DCに次ぐ2拠点目。昨年6月1日に施行された「中国サイバーセキュリティ法」に対応するための措置で、同法では重要情報インフラ運営者に対して、中国国内で収集した個人情報・重要データの国内保存を義務づけている。今後、同社はウランチャブ市政府と手を組みDCの運営会社を設立。20年の稼働を目指す。

 今回のアップルとの提携は、内モンゴル自治区にとって意義が大きい。同自治区は16年10月に「国家級ビッグデータ総合試験区」に指定され、17年12月には「ビッグデータ発展総体計画(2017―20年)」を発表。20年までに100社以上の関連企業を引き入れ、関連産業規模を1000億元に拡大させる目標を掲げた。重点分野となるDCでは、省内全域のサーバー収容台数を現在の90万台から300万台に拡充。DCのエネルギー効率を示すPUE値は、平均で1.4以下を実現する計画となっている。

 中国でDCを中心にビッグデータ産業を発展させている地域といえば、初の国家級ビッグデータ総合試験区に指定された貴州省の名が浮かぶが、内モンゴル自治区は同省と同じく、DCを運営する立地としての優位性をもっている。供給過多といわれるほど電力量が豊富で、年間の平均気温も低いため、サーバー冷却などのコストを低減できる。

 すでに中国電信、中国移動通信、中国聯通の3大通信キャリアは、同省で大規模DCプロジェクトを推進。ウランチャブ市では、アリババ、ファーウェイ、中聯利信など、大手ITベンダーが続々とDC建設を決めている。(真鍋 武)