グラフィックスリソースが数年で倍増

 働き方改革の取り組みとしてリモートワークを採用する企業が増えている。オフィス外で、オフィスと同じように業務を進める仕組みとして、デスクトップ仮想化(VDI)が注目を集めている。これからVDIを構築するならWindows 10への最適化は必須だ。それには「グラフィックスリソースが重要」とNVIDIAは強調する。

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左からエンタプライズ事業部ビジュアライゼーション部の田上英昭部長、
後藤祐一郎ビジネス開発マネージャ

 グラフィックスリソースの消費量について、Lakesideがレポートを発表した。2012年と比較するとOSレイヤで32%、アプリケーションレイヤでは40~60%ほど消費量が増加したという。この数値に後藤祐一郎・エンタプライズ事業部ビジュアライゼーション部ビジネス開発マネージャも同意する。サーバーベースコンピューティング(SBC)を利用していた顧客の案件で、これまで共有デスクトップ環境を20人で利用していたが、Office 2013からOffice 2016にアップグレードしたら、10人がログインできなくなってしまったという。ログインできた10人も動作が遅くなってしまった。「つまり、アプリケーションのバージョンを上げることで、集約率が半分に落ちることが起こり得る」と後藤マネージャは話す。

 しかし、サーバーのCPUを増やして対応するのは最適とはいえない。今、VDIの構築にハイパーコンバージドインフラ(HCI)を採用する企業が多い。HCIは必要に応じてスケールアウトができ、運用、管理がシンプルなので、導入しやすいためだ。ところが、CPUを増加するとなると、HCIの台数を増やすことになり、設置スペース、電力がそれだけ必要になる。田上英昭・エンタプライズ事業部ビジュアライゼーション部部長は、「サーバー1台の消費電力は1400~1600W。しかし、HCIにGPUを1本追加するのであれば、消費電力は250Wほどの増加で抑えることができる」と説明する。

 そこでNVIDIAが提案するのが、GPUと「vGPUマネージャ」を組み合わせた「NVIDIA GRID」だ。ハイパーバイザーにインストールするvGPUマネージャは、1台のGPUリソースをハイパーバイザー層で分割してVM/VDIに割り当てる。対応ハイパーバイザーはシトリックスのXenServer、VMwareのvSphere ESXi、ニュータニックスのAcropolis Hypervisorなど。ライセンスは年間のサブスクリプションと、永久ライセンス+SUMS(サポート更新保守契約)を用意している。

 一方、GPUはVDI向けに設計した32GBのGPUメモリと4基のMaxwell GPUを搭載した「Tesla M10」を用意。これをvGPUマネージャで1GBずつ、もしくは512MBずつに分割し、VDIに割り当てる。この二つを活用し、Windows 10が大量に消費するグラフィックスリソースをGPUで処理させることで、CPUを圧迫することなく、快適にVDU環境が利用できる。

 NVIDIAは、VDI向けの提案に力を入れる。日立システムズと協業し、M10とvGPUマネージャを提供。日立システムズはスーパーマイクロのHCIと組み合わせ、Windows 10向けに最適化したVDIとして販売している。日立システムズ以外のパートナーにも提供しているほか、今年はさらにパートナーを拡大していく方針だ。(山下彰子)