【上海発】京セラコミュニケーションシステム(KCCS、黒瀬善仁社長)の中国現地法人京瓷信息系統(上海)(KCSS、今井雄治総経理)が、中国で栄養給食管理システムの販売に乗り出す。売り上げを支える京セラグループのサポート業務やオフショア開発の業績が一定の水準まで達しつつあるため、新たな成長の柱を生み出すことが狙いだ。(上海支局 齋藤秀平)

18年中のリリースを予定

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KCSS
今井雄治総経理

 KCSSは現在、京セラグループのサポート業務やオフショア開発のほか、主に日系企業向けの製品販売にも力を入れている。しかし、今井雄治董事総経理は、「日系企業が中国に進出する一番の理由はコストメリットだが、人件費の上昇でなくなりつつある」と分析する。

 そのうえで、「今後、中国への日系企業の進出は減っていく」ともみており、日本で蓄積してきた栄養給食管理システムのノウハウを生かし、中国市場で新たに事業を展開することを決めたという。

 KCCSとして、栄養給食管理システムを海外で販売するのは初めての挑戦になるが、今井総経理は、「中国の場合は新興市場で、これから盛り上がっていくことが予想される。2018年中に製品をリリースし、うまくいけば、その後は中国の市場で勝負していける」と青写真を描く。

まずは病院をターゲットに

 KCSSは日本で開発した製品を中国市場向けにローカライズして提供することを予定。販売先については、まずは病院をターゲットにする方針だ。

 中国では、日本に比べて大規模な病院が各地にあるため、今井総経理は、「エンドユーザーの数が多いのはもちろん魅力的だが、病院の規模が大きければ、システムによる費用削減効果を訴求しやすい」と話す。

 さらに、中国政府がヘルスケア領域のガイドライン「健康中国2030」を策定し、予防や治療、リハビリテーション、健康促進に力を入れていることも追い風になるとみている。KCSSが中国の関係団体にヒアリングしたところ、日本の栄養管理には非常に高い関心を示したという。

パートナー協議は詰めの段階

 KCSSは中国国内に代理店網をもつ企業と、パートナー提携して販売していく予定で、現在、詰めの協議を慎重に進めている。日系ITベンダーにとって、中国企業との関係は一筋縄ではいかない。KCSSの事業が順調に推移すれば、成功事例の一つとして注目が集まりそうだ。

 KCSSは最初の1、2年で市場を開拓し、3年目以降に売り上げを伸ばしていくことを計画している。システムでたまったデータを活用し、将来的に健康に役立つサービスを展開することも検討中だ。