週刊BCNが12月13日に開催したITメーカーとIT販社をつなぐイベント「BCN Conference 2018 冬」。当日は約300人が来場し、終日盛り上がりをみせた。

 午前は基調講演でスペースアクセスの大貫美鈴代表取締役が宇宙ビジネスについて、特別講演で日本オラクルの川島隆人・アライアンス統括Innovation推進本部本部長が来年国内に開設予定の「Oracle Cloud」データセンターについて解説(※詳細は関連記事を参照)。午後はAとBの二つの会場に分かれて、ITベンダーや有識者が2019年のIT業界のトピックや自社のイチ押し商材を紹介した。

 「A会場」ではまず、ビープラッツの藤田健治社長が「サブスクリプションの本質は『ビジネス革命』~自動車、機械、あらゆる分野で広がるサブスクの本質とは~」をテーマに講演した。

 「サブスクリプションを日本で一番知る」と自負する藤田氏は、サブスクリプションがIT業界だけでなく一般にも広まってきた一方で、誤解もあると指摘。それは単に決済手段が変わるということだけでなく大きく三つの定義があり、「モノへの課金を低額化する」「提供形態がモノからコトへ変化する」「これまでにないような新たな価値を創造させる」ものであると話す。これによりビジネスモデルが変革され、契約や請求の問題が起こっているとした上で、「(当社では)サブスクリプションに対応した契約・請求管理をトータルに対応する販売管理ソリューションを提供している。サブスクリプションビジネスに興味のある方はぜひお声掛けください」とアピールした。
 
ビープラッツの藤田健治社長

 次に、さくらインターネットの松田貴志・テクニカルソリューション部マネージャーが、「時代はスーパーコンピューターの『所有から利用』へ~AI・データ解析向けクラウド型HPCの事例紹介~」と題して講演。AIやデータ解析向けに大量の計算資源を提供するサービス「高火力コンピューティング」について説明した。

 松田氏は、高火力コンピューティングについて、「AIやディープラーニングなどの最前線で成果を上げるためにつくられた高性能かつ費用対効果に優れた計算リソースを提供するサービス。技術的にはGPUクラスター群として国内有数の規模を持つ」と強調。また、HPCや大規模システムのクラウド利用を検討する際には、データセンターが持つ電力やネットワークなどのインフラやノウハウがあるところを選ぶべきだとした上で、同社のデータセンターを利用してほしいと呼び掛けた。
 
さくらインターネットの松田貴志・テクニカルソリューション部マネージャー

 続いて、SAPジャパンの椛田后一・プラットフォーム事業本部SAP HANA CoE シニアディレクターが「インメモリーデータベースSAP HANAが切り開く新しいマーケット~企業のデータ活用ビジネスのブルーオーシャンへ」と題して講演した。

 椛田氏は「SAP HANA」について、「デジタルトランスフォーメーションのためのプラットフォームになるものだ」と強調。その強みとして、インメモリーデータベースとしての速さや、分析処理とトランザクション処理を高速に実行できる仕組み、CPUの最新テクノロジーを活用していることを挙げ、これらにより、「最新データを使った真のリアルタイム経営ができるようになる。ぜひ、HANAを使ってそれを実現してください」と語った。
 
SAPジャパンの椛田后一・プラットフォーム事業本部SAP HANA CoE シニアディレクター

 A会場の最後の講演では、総務省の飯村由香理・情報流通行政局情報流通高度化推進室室長が「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」をテーマに、政府のテレワーク施策の内容と今後の展開について解説した。

 飯村氏はテレワークを「ICTを利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」だと説明し、「就業者と企業、社会の3方向それぞれにメリットをもたらす」と強調。政府の施策の一つとして今年7月に実施した「テレワーク・デイズ 2018」は、交通の混雑緩和や業務効率化、消費電力の削減などに効果があったという。今後はテレワークの全国的な普及拡大に向けた支援を行っていくとした上で、導入を検討する企業に対しては「テレワーク自体が目的ということではなく、生産性の向上や業務の効率化、人材の確保など経営戦略のためのツールとして活用してほしい」と訴えた。
 
総務省の飯村由香理・情報流通行政局情報流通高度化推進室室長

 一方、「B会場」では、NECの本永実・プラットフォームソリューション事業部事業部長が、「デジタルトランスフォーメーションの実現を支える『ハイパーコンバージドインフラ活用のポイント』と『パートナーとの共創』」をテーマに講演した。

 本永氏は「新たな価値創出のためにはビジネスモデルやワークスタイルを変えていかなくてはいけない。しかし、社内システムがバラバラだったり、IT人材が不足しているという現状がある。ハイパーコンバージドインフラは、シンプルかつスピーディーに、この課題にアプローチできる」と強調。「ユーザーがハイパーコンバージドインフラを導入しやすくするために、パートナーを通じて提供していく」と、聴講者に協業を呼び掛けた。
 
NECの本永実・プラットフォームソリューション事業部事業部長

 B会場ではこのほか、IoTやAI、ブロックチェーンに続くトレンドとして週刊BCNが注目しているテーマを本多和幸編集長が紹介。また、週刊BCNの畔上文昭編集委員は、そうした新たなトレンドの一つである「量子コンピューター」を活用したビジネスについて解説した。
 
展示会場にも多くの来場者が足を止め、説明に聞き入った