OSS(オープンソースソフトウェア)ディストリビューターのSUSEは、国内SIerとの連携を一段と強化している。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に欠かせないツールとしてOSSが積極的に活用されていることを踏まえ、主にアプリケーション層やソフトウェア定義型ストレージ(SDS)の領域を軸に、SIerへの技術支援を手厚くしていく。

川崎哲郎
SUSE事業部長

 これまで、主要なサーバーメーカーや世界大手のクラウドベンダー、SUSE創業の地であるドイツのERPベンダーのSAPなど独立系ソフト開発ベンダーとは密接な関係を保ってきたが、国内SIerとも「一段と関係を強めていく」必要があるとみている。SIerとその先のユーザー企業が、新しいシステムの実証実験を行う段階から取り扱っているOSSのサポート役として技術的な支援を行うことで連携を強化。国内でのOSSディストリビューション事業を伸ばしていく方針だ。

 DXを支えるシステムでは、ビジネスの変化に合わせて、より柔軟、迅速に拡張や縮小が可能な設計が求められる。例えば、アプリケーションではオンプレミスとクラウド間、あるいはクラウド同士での可搬性を良くしたり、ソフトウェアでストレージを制御するSDSを活用することで、DXのニーズに応えやすくなる。

 具体的には、コンテナ型仮想化や、コンテナのオーケストレーション(構成・運用管理)を行う「Kubernetes(クバネティス)」、分散ストレージ・ソフトウェアの「Ceph(セフ)」といったOSSを活用するケースが増えており、「コンテナ型仮想化を活用するアプリケーション層、ならびにCeph関連のSDSの領域で国内SIerとの関係を強化していく」(ノベルの川崎哲郎・SUSE事業部長)と話す。

 SUSEは英国大手ソフト開発ベンダーのマイクロフォーカスグループの一員だが、スウェーデンに拠点を置く投資会社のEQTに買収されたことを受けて、今年1~3月期をめどに事業会社として独立する準備を進めている。人員拡充も急ピッチで進めており、直近では世界で約1400人の社員を抱えていて、この1年間で2割ほど人員が増えている。

 国内では、マイクロフォーカスグループのノベルの一事業部門として活動してきたが、「独立会社となることを念頭に、国内での事業体制の強化」(川崎事業部長)を推進。SUSEが独立会社になることで、SIerごとに密度の高いサポートを提供しやすくなると期待されている。(安藤章司)