キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、金澤明社長)は、企業と銀行との電子データ交換(EDI)を行う「全銀EDIシステム(ZEDI)」対応製品の販売を始めた。ZEDIの最大の特徴は、売掛金と入金額を突き合わせる「入金消し込み」の自動化に対応した点にある。金額だけでなく請求明細書などの情報を付記できるため、例えば、商品を販売した企業は、入金額と商品名を突き合わせて、入金消し込みの自動化が可能になる。

 2024年1月にNTTがIP網に移行するのに伴い、従来のアナログ回線やISDN回線を使ったEDIは使えなくなる。企業と銀行間のEDIも同様で、全国銀行協会ではインターネット回線に対応した新しいEDIシステムとしてZEDIを昨年末に稼働。キヤノンITSのEDI製品「EDI-Master」シリーズも、この6月11日からZEDIに対応するオプション機能「EDI-Master B2B Gateway ZEDI連携オプション」を追加した。「ZEDIの事前の実証実験によれば、入金消し込みの自動化によって関連作業の時間が約6割削減できるなど成果を出している」(赤須通隆・プロダクトソリューション営業本部企画部部長)と話す。
 
赤須通隆部長(左)、花澤健二課長

 企業と銀行の取引では、従前から「ファームバンキング」の仕組みがある。ファームバンキングは、企業の基幹業務システムと直結する仕組みであるため、振り込みを自動化できる。大企業・中堅企業を中心に全国でおよそ3万社と見られるユーザーにとって、従来方式はデータ転送容量の制限から入金消し込みに必要となるデータを付記することが難しく、「手作業での入金消し込みは、企業の担当者に大きな作業負荷となっていた」と、プロダクトソリューション営業本部企画部企画課の花澤健二課長は指摘。まずは、ファームバンキングのユーザーをメインの販売ターゲットとしてZEDI対応製品への移行を働きかけていく方針だ。

 全国銀行協会のEDIのインターネット対応施策では、ZEDIのほかに、主に受発注業務で使われている「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」の二系統ある。ZEDIは主に「金流」をカバーし、TCP/IP手順・広域IP網は主に「商流(受発注)」をカバーすることになる。(安藤章司)