組込みシステム技術協会(JASA)は11月20日から22日の3日間、パシフィコ横浜で組込み・IoT総合技術展「Embedded Technology 2019/IoT Technology 2019」を開催した。出展社数は405社・団体で、小間数は817小間。

 展示会場では、スタートアップ企業とのマッチングを促進する「スタートアップ・パビリオン」を開設した。東京大学TLO、TXアントレプレナーパートナーズ、DMM.make、台湾InnoVEXを中心に、前回のほぼ倍となる47社のスタートアップ企業が集合した。その中の1社、Pyrenee(ピレニー、三野龍太代表取締役)は、AIドライバーアシスタント「Pyrenee Drive(ピレニードライブ)」を紹介した。
タートアップ・パビリオン

 Pyreneeは2016年1月に設立にしたベンチャー企業。発見の遅れや判断の誤りなどヒューマンエラーによる事故を減らすことを目的に、車種問わず後付けできるAIドライバーアシスタント「Pyrenee Drive」を開発している。Pyrenee Driveは、道路上をモニターするステレオカメラ、ドライバーの顔認識を行うインカメラ、リアルタイムでAI計算を実行するNVIDIA製のGPUチップ、タッチパネル液晶ディスプレイ、LTE通信モジュールを備える。
 
Pyrenee Drive(モック)
 
 前方を撮影する2基のカメラは、走行レーン、対向車レーン、その上にある物体をリアルタイムで認識する。認識できる物体は、普通車、大型車などの車両、自転車、バイクなどの二輪車、そして歩行者などの人だ。カメラが2基あることで物体との距離を測定することができ、また軌道予測計算をすることで、物体が自車両に接触しそうになる危険を予測して音声とアラート音、ポップアップでドライバーに知らせ、事故の回避をアシストする。
 
前方を撮影するステレオカメラ

 太田康成・最高事業開発責任者(CBDO)の説明によると、「人の視界は120度ほど。しかし、速い速度で移動していると視野角は狭くなる。ステレオカメラの視野角は100度ほど」と話し、走行中の運転手が見落としがちになる視界の外の危険をPyrenee Driveが知らせてくれる。

 インカメラでは運転手の顔の向きや目の動きから、よそ見や居眠りを感知し事故防止のアシストに役立てる。また、ドライバーに休憩を提案したり、病気の発作など、緊急時に家族や職場に連絡することもできる。

 LTE/4G回線でインターネットに常時接続しているので、ユーザーが経験した危険な状況のデータをクラウドにアップロードし、ディープラーニングの追加学習をし続けている。クラウド上の学習データが増えることで、予測の精度が上がり、また速い段階で危険を発見できるようになる。学習した結果は都度、新しいファームウェアとしてエッジ側に戻ってくる。

 Pyreneeは今年5月にシャープとハードウェアの量産に関する支援協定を結び、製品の量産化が可能になった。Pyrenee Driveは来年に発売する予定で、価格は未定。太田CBDOは「サブスプリクションモデルになるだろう。本体を一括で購入してもらい利用料を毎月いただくパターンと、2~3年の期間を区切ってハードウェア代を分割で支払ってもらうケースを考えている」と話した。