阿里巴巴集団(アリババグループ)は11月26日、香港証券取引所に株式を上場したと発表した。今後は中国大陸からの投資を受けることが可能になる。米中の緊張が長引く中で、資金調達先を分散させる狙いがあるとみられている。

マイクを手に上場を喜ぶアリババグループの張勇会長兼CEO

 1株当たりの初値は、公開価格よりも6%高い187香港ドル(約2600円)。新株は5億株発行し、約1兆2000億円を調達することを計画している。香港証券取引所で今年最大の新規株式公開(IPO)になる見通しで、ニューヨーク証券取引所に上場して約8800億円を調達した米ウーバー・テクノロジーズを上回ってグローバルでも最大規模になる。

 香港では、一連の抗議活動の長期化で、国際金融センターとしての地位が揺らぐとの懸念が広がっている。アリババの上場によって、国際的に香港市場の魅力をアピールできる機会になった。中国メディアは、アリババの上場で「テクノロジー企業に対する香港株式の魅力が高まり、より多くの類似企業が参入して香港市場が活性化する」と伝えた。

 米国では、米国市場に上場する中国企業への投資制限が取りざたされており、アリババはリスク回避のために香港市場への上場を決めたとの見方がある。アリババの上場によって、米国市場に上場する他の中国企業の中国回帰が進む可能性がある。

 上場を祝う式典で、アリババグループの張勇(ダニエル・チャン)会長兼CEOは「アリババの20周年の年に、香港に帰って上場するという重要な節目を迎えることができた。5年前に『条件が許すならば、香港に必ず帰ってくる』と言ったことを実現できた」と喜びを語った。

 アリババは2014年、香港証券取引所への上場を検討していたが、香港の規制当局に企業統治を問題視され断念。その後、ニューヨーク証券取引所に上場し、当時の最高記録となる約250億ドルを調達し、世界から注目を集めた。香港証券取引所はその後、規則を一部緩和し、アリババの上場を呼び込んでいた。