楽天モバイル（山田善久社長）とNEC（新野隆社長兼CEO）は3月24日、両社が連携して開発を進めた第5世代移動通信システム（5G）用の基地局ユニットの量産をNECプラットフォームズ福島事業所で開始し、第1号機の出荷を完了したと発表した。無線子局（RU：Radio Unit）と呼ばれるもので、アンテナと送受信機を一体化させた装置。


　今回、NECが量産を開始した5G用RUは、NECの技術と実績による高い品質と、3.7GHz帯周波数の超多素子アンテナ（Massive MIMOアンテナ）を搭載しながら小型・軽量・低消費電力を実現している。楽天モバイルは、5G用RUを用いて東京エリアから基地局を設置することでネットワーク構築を進め、6月に5Gネットワークの商用サービスの提供を予定。

　楽天モバイルでは、世界初となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築しており、19年10月には世界に先駆けて日本でオープンで仮想化、分散化された無線アクセスネットワーク（OpenRAN）を実用化した。また、両社は、4Gネットワークの運営でのビジネス支援システム（BSS：Business Support System）と運用支援システム（OSS：Operations Support System）のソリューションについて、これまでも緊密に協業している。

　楽天モバイルは今後も、5Gネットワークを20年代の社会インフラと位置付け、既存サービスの利便性向上だけでなく、さまざまな分野での利活用や新ビジネスの創出につなげ、社会問題の解決や地方創生などに貢献していく。

　NECは、社会ソリューション事業に注力しており、NECの強みである最先端技術やネットワーク構築の実績・知見を活用し、今後もさまざまな事業者の5Gネットワーク構築を支援することで、グローバルな事業展開を加速していく考え。