日本IBMは3月27日、オンラインでセキュリティ事業の方針説明会を開催し、ホワイトハッカーチーム「X-Force Red」を日本で本格始動させると発表した。ハイブリッド/マルチクラウド環境向けのソフトウェア・プラットフォーム「IBM Cloud Pak for Security」の機能追加なども示し、同社の纐纈昌嗣・執行役員セキュリティー事業本部長は「今後もサービスや製品を拡充し、顧客のセキュリティに対する不安を払拭していきたい」と述べた。

纐纈昌嗣セキュリティー事業本部長

 日本に設置するX-Force Redには、米国チームのメンバー数人が入り、このうち、日本の顧客向けにサービスを提供していた1人がリーダーを務めるという。国内にラボを設置したり、日本人ホワイトハッカーを増員させたりすることも進める。

 また、IBM社内のセキュリティ専門チーム「IBM X-Force」の情報を活用し、顧客専用の調査と報告をする「脅威インテリジェンス・サービス」も開始する。セキュリティー事業本部の小川真毅・コンサルティング&システムインテグレーション理事/パートナーは「以前からX-Forceの情報は活用していたが、日本の人材を増やし、ビジネスを拡大させていくことができるくらいのニーズが出てきた」と説明した。

 IBM Cloud Pak for Securityの機能追加では、「Threat Intelligence Insights」を新たに加える。X-Forceが集めた世界中の脅威情報を分析に活用できる点が特徴で、エンジニアによる分析のスピードを大幅に加速させることができるという。第2四半期(4-6月)には、ログ分析ができる「QRadar Event Analytics」の提供も開始する。

 日本のセキュリティ事業は、これまでは米国からの出張で対応するケースもあった。しかし、顧客のなかでは、ランサムウェアの被害で全事業が停止する重大インシデントが起こる場合などがあり、セキュリティの需要は増加。今までの方法では「立ち行かなくなっている」と纐纈セキュリティー事業本部長は話した。

 一方で、纐纈セキュリティー事業本部長は「新しいイノベーションを生み出すためには、新しいカテゴリーのセキュリティのツールを世の中に出していかないと、新しい脅威に対抗できない」とし、「サイバーインシデントでビジネスを止めないことが非常に重要。顧客の事業継続をセキュリティの面からも包括的に担保できることがIBMの強みだ」と強調した。