アイティフォーの第1四半期(4-6月)は、コロナ禍で不透明な状況のなかで増収増益を達成した。昨年度(2020年3月期)末の受注残は過去最高を更新するなど追い風もあったが、これに加えて主力の金融業向けローン業務支援システムや自動受架電システム「ロボティックコール」などが好調に推移。さらにコロナ禍で受注減が懸念されていた小売業向けのキャッシュレス関連システムの商談が、引き続き堅調に推移したことが第1四半期の業績を後押しした。

佐藤恒徳 社長

 金融業向けの債権管理やローン業務の支援システムはアイティフォーが強みとする領域で、これに電子契約システムやウェブでローン申し込みと組み合わせた提案が受注獲得につながった。ロボティックコールは自動音声で電話をかけてローン返済の督促や入金約束を取得するシステムで、大手地銀向けの大型案件を獲得している。コンタクトセンター関連では、この7月から新型コロナの感染拡大を防止するのに役立つ在宅コンタクトセンターのシステム販売をスタート。在宅での対応を録音したり、画面操作を記録するなどの品質維持、勤務管理を行うなどコロナ禍の需要に応える新商材の開発にも力を入れる。

 コロナ禍で大きな打撃を受けた流通・小売業向けのビジネスの冷え込みが懸念されていたが、第1四半期を振り返ると少なくとも「キャッシュレス決済関連のシステム需要の大きな落ち込みはなかった」(佐藤恒徳社長)と話す。中国などキャッシュレス決済が進んだ国や地域から来日する外国人旅行客に対応するため、国内の観光地では率先してキャッシュレスを取り入れてきた。その後、国内でもスマートフォン決済が立ち上がり、今は新型コロナの感染拡大の防止に役立つとして「キャッシュレス決済が支持されている」状況だという。

 アイティフォーは、自社の決済ターミナルを活用したキャッシュレス決済サービス「iRITSpay(アイリッツペイ)」を提供しており、地場の金融機関を通じて地域の商店街や商業施設の加盟店を増やしていく独自の販路を開拓してきた。直近では千葉銀行の「TSUBASAちばぎんのキャッシュレス加盟店サービス」に採用されている。ほかにも首都圏や関西圏の自治体などキャッシュレス化の需要も掴むなどして、昨年度の決済ターミナルの累計受注台数は前年度比で3倍余りの3万台を超えている。

 将来的には、アイティフォーの主力商材の一つの小売業向け基幹システム「RITS(リッツ)」のPOSデータと、iRITSpayの決済データを連携させることで、誰が、いつ、どこで、何を、いくらで買ったのかをリアルタイムで分析できるようにすることも視野に入れる。この7月には、RITSのCRM(顧客管理)機能を強化するなど、将来的なデータ分析も踏まえて、小売業の売上増に役立てる考え。(安藤章司)