日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は、8月から10月にかけて、働き方改革、ニューノーマル(新常態)、事業継続計画(BCP)、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況と、システム基盤の整備状況について調査を実施した。最終報告書は21年2月末に発表予定だが、中間報告として調査結果の概要を10月21日に発表した。

新型コロナウイルスが契機で定着するニューノーマル
(出典:JCSSA・働き方改革、デジタルトランスフォーメーションへの取り組み状況に
関する調査研究中間報告2020年10月21日)

 昨年までは、「働き方改革」の対象項目の中で実施・導入率が最も低かったのが「テレワーク(在宅勤務、サテライトオフィス勤務など)の促進」だったが、今年は、改正新型インフルエンザ対策特別措置法による全都道府県に対する「緊急事態宣言」の発動を受けて実施・導入企業が大幅に向上し、中規模一般企業で34%、小規模一般企業で25%となった。

 従来は、「テレワークに適した業務がない」「社外で業務を行う環境・設備が整っていない」「労務実態の把握や管理が難しい」などの理由で、テレワークに否定的であった企業も、新型コロナウイルス禍の下で在宅勤務やサテライトオフィス勤務のためのテレワークの導入に踏み切らざるを得ない企業が増加したものとみられる。

 18年6月29日に参議院本会議で可決成立した「働き方改革関連法」を受けて、18年度・19年度・20年度調査と時系列に「実施状況」をみると、中規模一般企業での実施・導入企業は、「長時間労働の是正・残業の抑制」が55%→57%→70%、「有給休暇の取得率向上」が47%→54%→71%と高い比率で推移している。18年度の導入状況が法律制定初年度という事情もあって積極的に導入を目指した企業が多かったのに比べ、19年度はやや頭打ちの状況となったが、今年度は新型コロナウイルス感染対策や中小企業に対する法律適用の期限(4月)との関連で、主要項目は70%以上の企業が実施・導入済みとなった。

 この傾向は、小規模一般企業でも同様で、「長時間労働の是正・残業の抑制」を「実施・導入している」企業が最も多く33%→39%→52%。次に実施導入率が多かったのが「有給休暇の取得率向上」で25%→32%→41%であった。

 新型コロナウイルス禍の下で、ニューノーマルが形成され、どのような形態が定着すると考えられるかを調査した。新型コロナウイルス禍が落ち着いてきたときに、定着するのはオンライン会議と考える企業が多いようだ。オンライン会議は使いやすいサービスが多く出てきており、パソコンがあればどこでも会議に参加できるという手軽さが導入の障壁を下げているとみられる。

 DXへの取り組み状況は、中規模一般企業の67%、小規模一般企業の47%が「DXは必要」と考えているが、実際に「取り組めている(予定を含む)」のは25%、11%にすぎないことがわかった。DXに取り組んでいる(予定を含む)企業が導入するデジタル技術のトップは、「クラウドサービス」で、次いで「オンライン会議」であった。第3位は、中規模一般企業で「人工知能」、小規模一般企業で「IoT」だった。

 従業員1人当たりのエンドユーザー機器台数は、昨年度と比べ、デスクトップパソコンの台数が1.3-1.4倍に、ノートパソコンの台数が1.2-1.3倍に、スマートフォンの台数が1.2倍、タブレット端末の台数が1.4-2.0倍に増えている。これらの伸び率は昨年度の伸び率を上回っており、原因の一つに新型コロナウイルス禍にともなうテレワークの普及が考えられる。