京都大学学術情報メディアセンターの緒方広明教授と、内田洋行の教育総合研究所は今年7月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」に採択され、11月から本格的に実証研究を開始する。

ラーニングアナリティクスシステム「LEAFシステム」を基盤に「EXAIT」を開発
 この委託事業は、教育用説明生成AIエンジン「EXAIT(Educational Explainable AI Tools)」を構築するとともに、京都市教育委員会の指定した実証校と連携し、ラーニングアナリティクスの学校現場への導入に取り組むもの。

 文部科学省「GIGAスクール構想」で児童・生徒1人1台の端末整備が加速しており、テストなどをコンピューターで実施するCBT(Computer Based Testing)も行われるなど、データを蓄積できる環境も整ってきたことから、そのデータを生かすために教育でのAI活用の研究も始まっている。

 一方、学校教育現場では、AIが解析したデータに学習者が納得できなければ、主体的な意欲を引き出せないという課題があった。そのため京都大学学術情報メディアセンターの緒方広明教授と内田洋行は、単に問題が自動的に提示されるだけではなく、学習者がより納得して課題に取り組めたり、先生が児童生徒のつまずきを把握して適切な指導を行えるよう、さらに学習・指導に有効な分析データを導き出す「説明できるAI」の開発を行う。このほか両者は、京都市教育委員会と連携してその実証研究を行うことを内容とする5カ年計画を作成。NEDOからの委託研究として採択され、9月11日に委託契約を取り交わした。

 同委託事業の実証研究では、京都大学学術情報メディアセンターの緒方広明教授らによって独自に開発されたデジタル教材配信システム(e-Bookリーダー)の「BookRoll」と分析ツール「LA View」で構成されるラーニングアナリティクスシステム「LEAFシステム」を基盤に、学習行動から説明生成を行うAIエンジン「EXAIT」を開発して搭載する。

 システムの効果測定は、京都市教育委員会と連携して学校現場で実証研究を行う。内田洋行が学校現場で学習者が利用しやすいシステム構築と学習データの管理・抽出を行い、京都大学学術情報メディアセンターと共同でデータに基づく学習効果を検証する。実証研究は、20年度内に京都市内の学校で開始する予定。