PwC Japanグループは3月30日、報道関係者向けの説明会を開き「2021年AI予測調査日本版~今こそAI活用を加速せよ」の調査結果を発表した。調査では、企業のAI導入が二極化していることなどが明らかになった。

中山裕之パートナー

 調査は20年12月に日本と米国で、AIを導入済みまたは導入検討中の企業の部長職以上を対象に実施。日本からは315人が回答した。「AIの業務への導入状況」の質問については、「全社的に広範囲にAIを導入している」と回答した企業が昨年の5%から16%に、「一部の業務でAIを導入している」が22%から27%に向上した。一方で、「AI導入検討中(現在未導入)」と回答した企業は37%から33%と微減にとどまっている。

 PwCコンサルティング パートナーの中山裕之・PwC Japanグループ データ&アナリティクスリーダー兼AI Labリーダーは「コロナウイルスにより売上が減少し、AIへ投資できなかった企業も多かった。このような背景もありAIの導入具合は企業により二極化している」と述べた。

 「AIを本格導入する際の課題」に対する回答では、「社員のAI利活用の推進スキル」が52%、「社員の開発/設計スキル」が42%となり、人材面がAI導入の障壁となっていると説明した。

 また、AIへの投資に対し、社内の意思決定を改善するため期待に沿ったリターンが得られたと答えた企業は、日本は17%に対しアメリカでは54%となり、大きな違いが明らかになった。PwCコンサルティング パートナーの藤川琢哉・データ&アナリティクスリーダーは「日本では経営層でAIへの理解が深まっていないケースが多いため、意思決定をはじめ重要な場面でAIが活用されるケースが少ない。アメリカでは意思決定をサポートする有効な手段としてAIが認知されている」と解説した。(岩田晃久)
 
藤川琢哉パートナー