シスコシステムズは7月7日、Web会議、クラウド電話、ビジネスチャット、イベントなどの機能を統合したパッケージアプリケーション「Webex Suite」を発表した。これまでWeb会議は「Webex Meetings」といったように各機能を独立させて提供してきたが、統合することで利便性の向上を図り、さまざまなニーズに対応できるようにしたとしている。
中川いち朗 社長
同日開催した記者発表会で同社の中川いち朗社長は、「今後は、リモートワークとオフィス勤務を使い分ける『ハイブリッドワーク』が主流になる。『Webex』は、働く場所を問わず快適なコミュニケーションが取れる環境を実現できる」と強調した。
石黒圭祐 執行役員
同社は2020年9月から今年5月までに四つの企業を買収するなどして、Webexに800以上の機能を追加したという。石黒圭祐・執行役員コラボレーション・アーキテクチャ事業担当は、「ハイブリッドワーク環境での生産性やエンゲージメントの向上を実現するために必要な機能を追加している」と述べた。
主要な新機能として、Q&Aやライブ投稿などが行える「Slido」、共有資料に自身のカメラ映像を合成してプレゼンが行える「イマーシブ シェア機能」、AIを活用しノイズを除去する機能などを紹介した。また、リモートワークでは、オフィスにかかってくる電話への対応に課題を抱えている企業が多いことを挙げ、固定電話にかかってきた電話をスマホで受けることができ、会社の電話番号で発信が行えるクラウド電話サービス「Webex Calling」の利用を促進していくとした。
なお、すでにWebex Meetingsを利用しているユーザーに対しては、近日中にWebex Suiteを利用できるようマイグレーションする予定。
Webexを導入した企業から「Webexの映像や音声を自社で利用しているシステムに組み込みたいというニーズが大きい」(石黒執行役員)ことから、API/SDKによる他ベンダーのアプリケーションとの連携を拡大させる方針も示した。(岩田晃久)