パロアルトネットワークスは1月31日、クラウドセキュリティプラットフォーム「Prisma Cloud」の最新バージョンの提供開始を発表した。エージェントレスでクラウドワークロードとアプリケーションのリスクを可視化する「エージェントレススキャン」などの機能を追加した。利用が広がるパブリッククラウドのセキュリティ対策を支援する。
Prisma Cloudは、「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure(Azure)」といったパブリッククラウドの設定を監視・保護するCSPM(Cloud Security Posture Management)機能と、コンテナや仮想マシンなどの不審な動作を自動検知するCWPP(Cloud Workload Protection Platform)機能を単一のプラットフォームで提供する。
ミスラ・アジェイ CTO
同日の記者会見では、最新の「バージョン3.0」の特徴としてエージェントレススキャンを紹介。ミスラ・アジェイ・クラウドセキュリティ事業本部CTO(Chief Technology Officer)は「エージェントレスのためインストールの手間が掛からず容易にクラウド環境を可視化できる。既存のエージェント方式の対策と補完し合うことで、さまざまなリスクに対応できる」と説明した。
これまでAWSのみで提供していたクラウドインフラストラクチャ権限管理(CIEM)機能をAzureにも対応させた。過剰権限を持つユーザーの早期発見などAzure環境におけるID管理の問題を解決する。
染谷征良 チーフサイバーセキュリティ ストラテジスト
国内では、クラウド利用が拡大している。染谷征良・チーフサイバーセキュリティストラテジストは「マルチクラウド化が急速に進む中で、複数の環境の管理ができていないケースが多い。結果として設定ミスなどセキュリティトラブルの増加につながっている」と指摘。今後もPrisma Cloudの機能拡充を進め、「一元的に設定や管理を行える、クラウドネイティブなセキュリティを提供していく」と語った。
(岩田晃久)