Dynabookは5月9日、企業向けにWindows 11搭載PC導入時のデータ移行作業をサポートする「PCリプレース支援サービス」を開始した。移行には独自のツールを使用する。Windows XPのEOS時から手掛けているデータ移行サービスのノウハウを生かして、複数台の移行を効率的に展開し、セキュリティ面でのリスクも抑える。ツール単体でも販売し、ユーザーが自らの手で移行を行えるようにするほか、販売店やSIerによるサービス提供も可能とし、幅広くニーズを取り込んでいく。
移行は元データを有するPCと移行先のPCを直接LANケーブルで繋ぎ、「PCリプレース支援ツール」(DVDまたはUSBメモリで接続)を使って作業を進める。外部バックアップなどを利用する場合と比べて、情報漏えいのリスクが軽減されるほか、データの移行漏れも防ぐ。ツールは自動化されており、複数台のPCで作業を並行することも可能だ。「BitLocker」やDynabook製「SmartDE」で暗号化されたPCも復号することなく移行でき、Dynabook以外のPCにも対応している。スタッフが顧客先を訪問するため、ユーザーの作業負荷軽減にも寄与する。
Dynabookが同一環境下で行った測定によると、ツールを活用した移行作業は32分で完了し、USB外付けHDDを使った場合の39分、ネットワーク経由(フォルダー共有)の45分と比べて時間の短縮が図れるという。
ツール単体での販売では、操作に困ったときや不測の事態に備え、ユーザーの管理者からDynabookに問い合わせができるヘルプデスクが用意されている。移行対象となるデータはユーザーの要望に沿って、有償でカスタマイズできる。
サービスやツールの提供価格については、顧客の要望によってカスタマイズが発生することから、都度見積もりとする。
柏田真吾 執行役員
Dynabook執行役員の柏田真吾・国内マーケティング&ソリューション本部長建設業担当は今回のサービスについて「XPや7の(リプレース時の)経験、お客様の声が全て詰まっており、お客様の期待、要望にお応えできると確信している」と意気込みを示した。
(藤岡 堯)