週刊BCNは2月25日、オンラインセミナー「ニューノーマル時代に求められる“ハイブリッドワーク”を探る ~なぜ今、『dynabook』が売れているのか?!~」を開催した。コロナ禍を経た働き方の変化により、仕事に欠かせない道具であるPCの選び方も変化している。昨年来販売が好調というDynabookのキーパーソンを招き、新しい働き方を支えるPCやソリューションのあり方について議論した。

 2020年春、テレワークへの対応のためノートPCのニーズが急速に高まったが、その特需も一巡し、PC市場ではアフターコロナを見据えた新たな働き方への対応が主要なテーマとなりつつある。
 
渋谷正彦 本部長

 セミナー冒頭であいさつしたDynabook国内B2B営業本部の渋谷正彦・本部長は、販売パートナーに向けて「1月に発表した最新のモバイルPCでは、14型でありながら1kgを切る軽量を実現した。一方で昨今の働き方の変化に対応するため、各種セキュリティを施したソリューションなどを多くのお客様から要望いただいている」と述べ、製品そのものに加えて、企業におけるPCの運用を支援するソリューションとの両面での価値提案がより強く求められる時代になったとの見方を示した。
 
荻野孝広 副本部長

 続いて登壇した国内マーケティング&ソリューション本部の荻野孝広・副本部長は、東芝グループからシャープ傘下へ移行して3年を迎える同社の事業体制を説明した。荻野副本部長によると、「Dynabookは、商品企画から、開発・設計、製造、品質管理、販売、サービス&サポートまですべてを手がけている」企業であり、これはPC市場においては希有な例だという。

 一般的には、メーカー機能とサポート機能が別会社に分かれていたり、コンシューマー向けと法人向けで商品企画や販売窓口が異なっていたりすることが多いが、同社はPC事業に関わるすべての機能が1社に集中しているため、サポートの迅速さや市場ニーズの取り込みなどで有利とする。

 また、これに関連して荻野副本部長が強調したのが、「DynabookはPCだけの会社ではない」という点だ。ビジネスの現場にフォーカスしたソリューションをメーカー自らの商材として用意しているが、このような取り組みを行えるのも、企画や製造、販売を1社で対応できる体制があるからだとしている。

 調査会社IDC Japanのデータによると、Dynabookのシェアは21年後半、法人向けノートPC市場で国内第2位まで上昇した。荻野副本部長は好調の理由について「部材の調達などの事業環境は厳しいが、関係する各社と密に連携をとり、なるべく(半導体不足による納期遅延等の)影響がない形でお客様に商品をお届けできた」と話し、今後もより盤石な事業体制を築いていく考えを示した。
 
古賀裕一 部長

 セミナーの後半では、Dynabookが提供する商品やソリューションについてより具体的に紹介された。商品統括部商品開発部の古賀裕一・部長は、同社の商品開発や製造の体制について説明。古賀部長は「1989年に発売した『DynaBook J-3100SS』(ダイナブックブランドの初代製品)以来33年間、われわれは『自社設計・自社製造』であることを大切にしてきた」と述べ、商品価値の中核となる技術を自社で生み出すことで、長年にわたりブランドと競争力を保ってきたと説明。

 薄型、軽量、バッテリ駆動時間といった点に加え、最近ではCPUをより長い間、高速駆動するための冷却技術なども重要になってきているという。また、堅牢性についても外部の評価基準を導入して試験を行うなどして、より丈夫で壊れにくい設計としているほか、ファームウェアの自社開発によってセキュリティを高めるといった取り組みも続けている。

 このような技術の蓄積から生まれたのが、今春から受注を開始するモバイルノートPCの新製品「dynabook RJ74」で、これまで主流だった13.3型から画面を14型へと拡大しながら、従来機並みの大きさを実現し、重量も1kg以下に抑えることに成功した。コロナ禍で働き方が変わり、モバイルノートPCをメインマシンとして使う機会が増えていることから、持ち運びやすさはそのままに、より大画面かつ高性能なPCを提供することで市場ニーズに応えていくとしている。
 
熊谷 明 部長

 ニューコンセプトコンピューティング統括部の熊谷明・部長は、同社が提供しているソリューション群の中から、リモートワーク向けのパッケージ商材と、現場向けの作業支援ソリューションなどを紹介した。

 リモートワークに向けては「かんたんテレワークスターターパック」を用意。近年多くの企業で「Microsoft 365」の利用が進んでいるが、ITリソースが限られる中小企業がクラウドの利用環境やセキュリティを適切に設定し、運用するのは容易ではない。そこでこのスターターパックでは、PC本体やMicrosoft 365のライセンス、各種設定やヘルプデスクといったサービスをワンパッケージにし、ユーザー企業自身は最低限の負荷でPCとクラウドをスムーズに利用できるようにしている。

 現場向けには、携帯可能なエッジコンピューティング端末「dynaEdge DE200」やウェアラブル機器を活用した、遠隔での現場作業支援ソリューションを提供。頭に装着するカメラ付きビューアーを通じて、作業マニュアルの表示や、作業中の映像の送信などを行うというものだが、エッジ端末にAIエンジンを搭載しており、映像の揺れや明るさを補正するといった処理が可能。

 同社では、このようなデバイスの特徴を引き出すソリューションを取りそろえることで、ユーザーの課題解決につながるより高い付加価値を提供していくとしている。