オミクロン株の蔓延が懸念される困難な状況下で2022年1月26~27日に開催された「dynabook Days 2022 Spring」。これに先立つ新商品発表会では、今年のDynabookの事業戦略とハイブリッドワーク対応の14型ビジネスプレミアムモバイルPC「dynabook RJ74」が示された。激変するライフスタイルとワークスタイルに向けて、同社はどのような取り組みをするのか――。覚道清文代表取締役社長兼CEOに話を聞いた。

Dynabook
覚道清文
代表取締役社長兼CEO

ハイブリッドワークには「dynabook RJ74」

――まず、貴社の現在のビジネス状況についてお話しください。

覚道 21年前半はICなどの電子部品が入手しづらくなり、非常に苦しめられました。ただ、グループ会社の協力を得て調達先の多様化に努めた結果、現在は大きな影響は避けられるまでに持ち直しています。この先、3~5年のIT投資は堅調に増えていく、というのがわれわれの判断。それほど高い成長率は望めないとしても、ハードウェアの売り上げは確実に伸びていくでしょう。

――昨今のテレワーク需要は追い風になっていますか。

覚道 新型コロナウイルス感染症の大流行は、社会生活や人の暮らし方を大きく変えました。しかし、少し落ち着いたら全員が出社、ぶり返したら全員がまた在宅勤務、という繰り返しにはならないでしょう。オフィスで仕事をする人と自宅で作業する人が混在する、コロナ以前とは違った勤務形態が定着し、そのための製品が支持されるのではないかと思います。

――新商品発表会では、テレマティクス、文教、オフィス・テレワーク、現場、ヘルスケア・医療の五つを注力事業領域に挙げられました。それぞれの領域にどのように取り組まれますか。

覚道 幅広いポートフォリオでグローバルに相乗効果を創出したいと考えています。現在、海外の売り上げ比率は約30%ですが、さらに高めるにはサービスや保守のポートフォリオも増やしていかなければなりません。また、現場向けにはエッジ端末とウェアラブルデバイスの組み合わせを提供し、文教市場には生徒のアカウントを管理する仕組みも提案しています。

――dynabook RJ74は、“ハイブリッドワークに適した至高の14型モバイル”と銘打たれています。

覚道 ハイブリッド型の働き方が今後の主流になると考え、軽く・薄く・速くをコンセプトに開発しました。オフィスでも使うとなれば14型の大画面が必要ですし、「AIカメラエフェクター」と「AIノイズキャンセラー」がWeb会議でのユーザビリティを高めてくれると思います。

――AIカメラエフェクターは、背景をぼかしたり顔画像をきれいにしたりする機能ですね。

覚道 dynabook RJ74に搭載したプロセッサーには余力があるので、Web会議の画面に映る顔を見やすくする処理をさせています。AIノイズキャンセラーは、周囲の雑音を自動的にカットする機能。どちらも、社内のWeb会議で現場から上がった声をもとに実装しました。

――22年度の抱負をお聞かせください。

覚道 2桁成長を目指しています。海外展開をさらに加速し、国内のお客様としっかり商談を詰めていけば達成できるはず。製品・サービスの内容に見合った価格をお客様にご理解いただく取り組みも重要です。本日発表したdynabook RJ74は、年度内にワールドワイドで10万台は販売したいですね。

――最後に、販売店向けのメッセージをお願いします。

覚道 当社のSMBビジネスが堅調に推移しているのは、お客様との商談が難しいコロナ禍の状況にあっても販売店の皆様が頑張っておられるため、と深く感謝しております。新発表のdynabook RJ74は、きっと“化け”ます。化けさせていただくためにも、販売店の皆様には昨年以上のご支援をお願いいたします。

dynabookとAIoTソリューションで新たなステージへ

 Dynabookは1月26日、「dynabook Days 2022 Spring新商品発表会」をオンライン形式で開催した。
 
「dynabook Days 2022 Spring新商品発表会」を開催

 この日の発表のポイントは、今年の事業戦略とdynabook RJ74。事業戦略について、覚道社長は「新たなステージへとさらなる飛躍を遂げたい」とアピール。これまで培われてきたモバイルコンピューティング技術(dynabook)とAIoT活用ソリューションを組み合わせて生産性向上とデジタル化を促進し、テレマティクス、文教、オフィス・テレワーク、現場、ヘルスケア・医療の五つの事業領域に注力すると説明した。

 また、“ハイブリッドワークに適した至高の14型モバイル”としてこの日お披露目されたのが、dynabook RJ74。オフィス+自宅のハイブリッド型勤務で生産性を高めるために、速さ(第12世代インテルCoreプロセッサー)、強さ(10種の米MIL規格準拠テスト実施予定)、デザイン(軽量・薄型・14型大画面)、ユーザビリティ(AIカメラエフェクター/AIノイズキャンセラー)を兼ね備えたプレミアム機として作られているのが特徴だ。関連ソリューションとして、dynaTeams「Job Canvas」(働き方を見える化しチームマネジメントをサポート)、「かんたんテレワークスターターパック」、コンサルティングサービス「アドバンスメニュー」を用意している。

 司会を務めた宇賀なつみ氏(フリーアナウンサー)とのダイアログで、覚道社長は「21年は、新型コロナ感染症の流行や社会の急速な変化への対応に追われた“応”の1年だった。われわれは22年を、生活やビジネスのあり方を前向きに切り開いていく“拓”の1年にしたい」とコメント。世界規模の変革を推進する原動力として、Dynabookも貢献していきたいと抱負を述べた。