ソフトバンクは、雇用形態の一つとして「ショートタイムワーク」を取り入れている。CSR活動の一環で、2016年の導入以降、障害者など50人以上を雇用。幅広い部署の業務に当たってもらっており、システム開発の部署では開発スピードの向上につながっている。多様な働き方の実現を目指し、今後も雇用を継続する方針だ。
CSR本部多様性推進課の横溝知美氏
ショートタイムワークは、障害や闘病、子育て、介護といった事情によって長時間の勤務が難しい人が、週20時間未満から就業できる働き方だ。同社では、今年2月末までに営業や人事・総務、システム開発などの部署で計54人の雇用実績がある。
システム開発の部署では、ショートタイムワーカーが機械学習モデルの構築に必要となる教師データを作成するアノテーション業務を担当。画像やテキストなどのデータにタグを付ける作業を行っている。
ショートタイムワーカーがアノテーション業務を担うことで、AIエンジニアの業務が効率化され、開発スピードの向上につながっている。同じ職場で働くことで相互理解が深まり、お互いに配慮する意識も根付いたという。
同社は今後、年間約20人のショートタイムワーカーを常時雇用する予定。CSR本部多様性推進課の横溝知美氏は「ショートタイムワークのように、多様な人がともに働ける環境が当たり前の選択肢になることを目指すべき姿としている」と語った。(大向琴音)