エム・クレストは9月28日のメディア発表会で、パブリッククラウド向けの新しいリモート接続サービス「KUROKO Connect for Cloud」を発表した。同社の独自技術「セキュアポートアクセス」で利用できるため、高い安全性が期待できる。10月3日に提供を開始する。
森島寛社長
KUROKO Connect for Cloudは、外部からの侵入や攻撃からサーバーやサービスを守るだけはなく、攻撃リスクを無くすという考え方で開発した。日本で初めて、特定のパブリッククラウドサービスに依存せず、ユーザが現地側ポートを閉じたまま接続できる環境を実現したという。
セキュアポートアクセスでは、ユーザーから接続の要求を受けた際、サーバー側から制限付きのトンネルがつくられ、必要なときだけセキュアな接続を確保する。接続の有無にかかわらず、サーバーに穴は開かないため、SSH(セキュアシェル)やRDP(リモートデスクトップ)などの接続方法よりも安全性が高いという。
同社は、調査会社などのデータから、パブリッククラウド市場の拡大に伴い、セキュリティ被害も増加していると解説した。企業の間では、VPNやリモート接続で開放したポートから侵入されるケースが増えており、攻撃から企業の資産を守るためのサービスとしてKUROKO Connect for Cloudを提供すると説明した。
サービスを導入する場合、基本的にLinux OSやWindows OSの環境で動作するため、「AWS」や「Azure」など、幅広いクラウドサービスに対応する。1台までは無料版を利用可能で、2台目からは1台につき年間3300円の有料版の導入が必要。VPNといった既存の接続方法の安全性をより高めるためにも利用できる。
森島寛社長は「まず日本国内で、無料版・有料版合わせて100万ダウンロードを目指す。海外進出も視野に入れており、将来的に1000万ダウンロードを達成したい」と今後の目標を語った。(大向琴音)