みんなの銀行の基幹システムを開発・運営するゼロバンク・デザインファクトリーは11月8日、アクセンチュアと共同開発したフルクラウド型の銀行システムの外販を開始した。国内外の金融事業者や新たに銀行サービス導入を目指す事業者をターゲットに置く。クラウドの強みを生かしたシステム設計の柔軟性を売りに、顧客の要望に応じた機能を提供する。
みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下で、BtoC向けの銀行サービスを主軸に、すべてのサービスがスマートフォンのみで完結できる「デジタルバンク」を標榜している。ゼロバンク・デザインファクトリーもFFGの完全子会社となる。
外販するシステムはみんなの銀行向けに開発されたシステムをベースとし、パブリッククラウド上に構築するアプリケーションを、機能ごとに切り分けた上で内部APIによって連携させている点が主な特徴。全体のシステムを止めることなくサービスごとに開発、改善ができ、柔軟性の高い運用が期待できるほか、各機能を個別に販売することも可能となる。導入事業者は、預金者の利用状況などのデータをリアルタイムで分析でき、顧客ごとにパーソナライズした提案につなげられる。
ゼロバンク・デザインファクトリーの永吉健一社長
ゼロバンク・デザインファクトリーの永吉健一社長(みんなの銀行頭取)は、導入期間について「みんなの銀行は、1年半ほどでシステムを導入した。顧客の要望次第にはなるが、同じくらいの短期間で、新たに銀行サービスを立ち上げられる」とアピールした。近年、アジア地域などでデジタルバンク設立を後押しする動きが活発化しているとした上で、「現在、海外のアワードやイベントなどで露出を高めている。世界中にアクセンチュアの顧客がいるため、うまくタイアップしながらニーズのあるところにコンタクトを取っていきたい」と語った。(大畑直悠)