NECグループのフォーネスライフは10月26日、デジタルヘルスケアサービス「フォーネスビジュアス(FonesVisuas)」について、検査日から20年以内の認知症の発症リスクを予測する検査項目を新たに追加し、医療機関向けに提供を始めたと発表した。高齢化が進む中、生活習慣の改善を支援し、認知症の予防につなげることが狙い。
フォーネスビジュアスは、フォーネスライフのバイオセンシング技術と、NECグループのAI技術などを組み合わせて実現したサービス。医療機関で採血した血液中の約7000種類のタンパク質を測定する方法で、疾病の発症リスクを検査する。今までは心筋梗塞と脳卒中、肺がんを検査対象としていたが、認知症についても同じように予測できるようになった。
認知症の予測サービスを追加した背景には、高齢社会の進行がある。認知症は高齢者の介護理由として多い上、高齢化が進むにつれて患者数は増加すると予想されている。そのため、認知症を予防することで健康寿命を延ばし、高齢者が自立した生活を送ることは、社会的にも重要視されているという。
江川尚人 CEO
同社はサービスのコンセプトとして「早期発見よりもっと早く」を掲げる。従来の検査による「早期発見」よりも、さらに早い段階での備えを可能とする。江川尚人CEOは「早くリスクに気づき、自らの生活習慣を見直してもらうことが重要」と語った。
血液検査に加えて、保健師による健康相談などのサポートが受けられるコンシェルジュサービスや、生活習慣改善のためのコンテンツが収録されたスマートフォンアプリも提供している。継続して活用することで、疾病リスクの推移や健康改善の結果が確認できる。
(大向琴音)