NTT西日本は、オープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」開設1周年となる今年3月までにスタートアップ企業や一般企業、自治体、大学などの法人会員が670団体に上ることを明らかにした。会員のうちスタートアップ企業が全体の68%を占有。QUINTBRIDGEは多様なアイデアや技術を持つスタートアップ企業と既存の企業、自治体のビジネスマッチングの場になっているようだ。2年目からはNTT西日本によるスタートアップ企業への直接投資も新たに始める。
森林正彰 社長
個人会員は1万270人で20代から40代を中心としつつ、「15才の高校生起業家から81才まで幅広い年齢層に参加してもらっている」と森林正彰社長は話す。QUINTBRIDGEで初年度に開催したセミナーや勉強会などのイベントは384回で、うち6割が参加会員による主催・共催が占め、NTT西日本主催のイベント数を上回った。会員主導でイベントが催され、延べ利用者数は7万2000人に達した。「定休日を除いて何らかのイベントが毎日のように開催されたことになる」(森林社長)と、施設が十分に活用されたと手応えを感じている。
2年目も引き続きセミナーや勉強会、国内外の企業とのビジネスマッチング、共創に役立つ場の提供に努めるとともに、NTT西日本としては初のスタートアップ企業への直接投資にも取り組む。投資枠は明らかにしていないが、スタートアップ企業のアーリーステージと呼ばれる立ち上げ初期の段階から関与できるケースを想定しているという。NTT西日本が直接投資する場合は、「当社とともにサービスをつくり、(NTT西日本が重視している)社会課題の解決に役立つ成長領域」(森林社長)を考慮するとしている。
投資資金に関しては、引き続きNTTグループの投資機構や外部のベンチャーキャピタル、金融機関からの支援も取り込んでいく。森林社長は「『こういうビジネスがQUINTBRIDGEから生まれた』と具体的に言えるよう事業創出に力を入れる」と、より大きな成果を目に見えるかたちで創り出していきたいとしている。
(安藤章司)