米UiPath（ユーアイパス）の日本法人は7月13日、同社の自動化基盤と生成AIを統合し、顧客の業務効率化を支援するAI戦略を発表した。ユースケースの創出を図り、生成AIで自動化できる業務の範囲を広げていく考えを示した。

　AI戦略では、米大手のベンダーが提供するオープンソースの生成AIや同社のAI、ベンダーとユーザーの独自AIを、用途に合わせて自動化基盤で利用できるようにする。その上で、AIとロボット、アプリケーションの柔軟な自動化を目指す。人間を介在させた検証の仕組みにも力を入れ、継続的な監査やモニタリングに関する仕組みを提供する。


　具体的なアプローチとしては、請求書や発注書、「Excel」、メールなどからテキストを抽出し、アプリケーションへ自動的に転記する「UiPath Clipboard AI」を試験的に提供している。また、自然言語から自動的にワークフローを生成する「Wingmanプロジェクト」を開発中だ。

　今後は、生成AIを活用した自動化のユースケースを増やす方針。同社の自動化基盤にさまざまなソースから情報を集め、生成AIに分析させたり、コンテンツを作成させたりするパターンや、生成AIをアシスタントとして活用するパターンを考えているという。

　長谷川康一社長は「生成AIと自動化の組み合わせは、自動化ツールを利用するハードルを下げ、活用の範囲を広げてくれるだろう。自然言語を用いて、顧客と直接関わる現場が主導する活用方法が創出できるようになる」とし、「RPAでは、日本から世界をリードするユースケースが生まれた。顧客やパートナーとともに、生成AIと自動化の組み合わせも日本から輸出したい」と話した。
（大畑直悠）