シスコシステムズはこのほど、ネットワーク製品についての記者説明会を開催した。6月に発表したネットワーク製品の新しいビジョン「Cisco Networking Cloud」について解説。多くの企業でハイブリッドワークが浸透し、ネットワーク管理の課題が複雑化していることを受け、管理画面のUIを統一するなどしてマネジメントを単一プラットフォームでシンプルに行える方向性を示した。
Cisco Networking Cloudは具体的な製品名ではなく、ネットワーク全体を統合していくビジョンを指す。同社が提供するあらゆるソリューションについてUIを統合し、ユーザーは一つのクラウド上ですべてを管理できるイメージで、シンプルな運用が可能になるという。実際にはそれぞれの製品は分離して動いているが、API連携によってユーザー側は管理を一元化でき、シームレスな稼働を実現する。
眞崎浩一 執行役員
エンタープライズネットワーキング事業担当の眞崎浩一・執行役員は「お客様によって多様なニーズがあるので、すべてに対応していく」と述べ、オンプレミスのみ、クラウドのみ、両方を使うハイブリッドクラウドのいずれのかたちでも利用できるようにしていくとの考えを示した。「一つのツールで管理することで生産性の向上が期待できる」(同)といい、具現化にはおおむね2~5年程度を要するとの見方を示した。
同社の調査によると、企業の40%は出社やリモートを組み合わせたハイブリッドワークを実施しており、自社のワークロードの40%以上がマルチクラウドで実行されている企業が3分の2に上る。IT部門は、アプリケーションへのアクセスの安全性を担保し、ネットワークやセキュリティの状態を可視化して把握することが課題になっているという。顧客はネットワークに対して、シンプルさ、予測可能であることを求めており、これらに対応するため新たなビジョンを実現していくとした。
(堀 茜)