BIPROGYは4月30日、2024~26年度の経営方針を発表し、サービス型ビジネスへの転換をさらに加速する姿勢を鮮明にした。4月に就任した齊藤昇社長CEO・CHOは同日、東京・豊洲の本社で開いた説明会で「新しいビジネスをつくり、収益性を上げることにチャレンジしたい」と意気込み、成長に向けてM&Aを含め3年間で700億円以上を投資する計画を示した。
齊藤 昇 社長
同社は既に受託開発からリカーリングモデルなどのサービス型ビジネスへのシフトに取り組んでおり、次の3年でさらなる拡大を目指す。最終年度となる27年3月期の目標として売上収益4200億円、調整後営業利益率11.0%を設定した。売上収益については24年3月期実績から約500億円の上積みを見込み、前の経営方針期間の増加幅である約525億円を下回る想定だが、齊藤社長は「サービス型のビジネスは、立ち上がりは(売り上げが)そこまでは増えず、ある瞬間から増えていく。3年が終わった段階で1段ギアを上げられればいい」と期待を寄せた。
既存の収益源であるコア事業では「ファイナンシャル」「リテール」など五つの注力領域に経営資源を集中させるとともに、開発生産性や提供価値の向上などを進める。成長事業においては、データ利活用サービスやITインフラを総合的にサポートするマネージドサービスといった新たな領域、社会課題解決型のビジネスを積極的に伸ばすほか、ASEANや北米を中心とするグローバルでの展開強化も視野に入れる。
投資に関しては研究開発で200億円、出資・M&A(人材獲得目的も含む)で500億円超を予定する。齊藤社長は「成長事業の『スピードを買う』ために、足りないアセットを買うという考え方」と述べ、成長事業をけん引する役割を果たすとした。
同日は24年3月期の決算も発表した。連結の売上収益は前期比8.9%増の3701億4200万円、営業利益は12.2%増の332億8700万円、調整後営業利益は15.0%増の338億1200万円、最終利益は25.0%増の252億4600万円となった。旺盛なDXへの需要を追い風に、すべてのセグメントで増収を果たし、利益面の上振れにつながった。
(藤岡 堯)