米Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)の日本法人は6月26日、記者会見を開き、SASE(Secure Access Service Edge)ソリューション「Prisma SASE」の機能拡充について説明した。自社開発のブラウザー「Prisma Access Browser」やAIを活用したデータ保護機能を追加、情報漏えい対策の強化などを訴求して顧客獲得を目指す。
和田一寿 Business Principal
Prisma Access Browserは、閲覧許可のないユーザーが個人情報にアクセスした際に表示をマスキングする、スクリーンショットの制限、ダウンロードしたファイルの暗号化などのセキュリティー機能を提供する。SASE事業本部の和田一寿・Business Principalは「契約社員や関連会社といった人たちにどのようにセキュリティー対策を行うのかが課題となっているが、Prisma Access Browserを端末にダウンロードするだけで情報漏えい対策ができる」と述べた。
現在、ZTNA(Zero Trust Network Access)、SD-WANなどで構成するPrisma SASEの基盤に接続するには、端末にクライアントソフトを入れる必要があるが、Prisma Access Browserによる接続が可能となるため、SASEによるセキュリティー強化を容易に実装できるとした。
AIを活用したデータ保護では、事前学習済みの機械学習モデルにより、Prisma SASE上のデータを検出、分類、リスク評価することで、重要な資産情報の動きを特定できるとした。
このほか、Prisma SASEを経由してアプリケーションへの接続を安全かつ高速化する「Prisma SASE App Acceleration」や、生成AIアシスタント機能「Strata Copilot」などを紹介した。各新機能は、順次提供を開始する予定だ。
藤生昌也 シニアディレクター
同社は、2019年にPrisma SASEの提供を開始。今回が3回目の大きな機能拡充となることから「Prisma SASE 3.0」と位置付け、訴求していくという。同事業本部の藤生昌也・シニアディレクターは、企業が情報漏えい、ITリテラシー不足、セキュリティー人材不足といった課題を抱えていると指摘し、「Prisma SASE 3.0によりこれらの課題を解決したい」と意気込んだ。
(岩田晃久)