セールスフォース・ジャパンは7月12日の記者説明会で、業種別にテンプレート化したソリューションを展開する「Industry Cloud」で、製薬や医療機器メーカーを対象とするライフサイエンス業界向けサービスを開始したほか、公共機関向けの機能を追加したと発表した。業種ごとの課題に対応したアプローチを強化する。
ライフサイエンス業界向けのサービスプラットフォームとして「Life Sciences Cloud」の提供を開始した。これまでも対象としてきた医療機関に加え、製薬会社などの臨床試験を支援する機能を実装したのが特徴。条件に合った被験者の選定や治験への募集などのプロセスを効率化できる。
國本久成 執行役員
公共機関向けでは、同社のCRMをベースにした業務支援システム「Public Sector Solutions」に、給付施策や助成金の管理、事業者の管理など六つの新機能を追加。さまざまなシステムに散在する行政サービスの利用者に関する情報を一元管理し、最適なサービスを提供できるようにする。
同社は、業種別に最適化したサービスの提供に注力しており、今回の発表でIndustry Cloudが支援する業種を12に拡充させた。業種ごとの標準化機能を活用して導入から効果を出すまでの時間を短縮したり、継続的なアップデートで最新のテクノロジーの利用を促したりできることが強み。
執行役員の國本久成・ソリューション統括本部インダストリーアドバイザー本部本部長は「これまで個別にカスタマイズしていたことで発生する手間やコストを軽減できることが魅力だ。コミュニティーの活性化にも力を入れており、同業他社のDX担当者と成功事例を共有する場を提供し、業種で共通する課題で孤立させないようにする」とアピール。また、国内顧客の要望を米本社の開発チームに共有する仕組みを構築したことや、ISVパートナーが開発したアプリケーションを提供するマーケットプレイス「AppExchange」を活用して国内市場のニーズに対応すると強調した。
(大畑直悠)