キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は、ITソリューション体系「まかせてIT DXシリーズ」の業種対応を進めている。今年2月に第1弾となる介護施設向けのサービスメニューに続き、6月には第2弾の幼稚園・保育園向けのサービスメニューを追加した。業種ソリューション営業推進本部の末岡淳一・本部長は「今後も業種に焦点を当てたサービス体系を整備していくことを視野に入れる」としている。
右から村田由紀子部長、末岡淳一本部長、宮塚隆紀課長
業種対応では、中核となる業種アプリを軸に、キヤノングループが強みとする映像システムや、全国約150のサポート拠点を展開するキヤノンS&Sの保守運用サービスを組み合わせているのが特徴だ。介護施設向けの業種アプリでは、介護記録システム開発のケアコネクトジャパン(静岡市)の介護記録システム「ケアカルテ」と、幼稚園・保育園向けではテクノクラフト(新潟市)の安全管理システム「コミュなび」を軸に据える。
キヤノンS&Sは、販売実績がある業種アプリをまかせてIT DXシリーズに組み込んでいる。ケアコネクトジャパンとは資本業務提携を結んでおり、コミュなびについては「12年余りにわたって販売してきた実績を持つ」(ITソリューション推進本部ビジネスアプリケーション推進部の村田由紀子・部長)という。
映像システムは、キヤノングループのアクシスコミュニケーションズの映像管理ソフト「AXIS Camera Station 5」などを活用し、介護や幼保施設での見守りに活用するとともに、保守運用サービスをワンセットで提供する。
ITソリューション推進本部ITS事業戦略部ソリューションデザインセンターの宮塚隆紀・課長は「業種ユーザーが使う業務アプリやITシステム、情報セキュリティのすべてをキヤノンS&Sに任せてもらえるようにする」ことで、システム管理や運用の負担を抜本的に軽減できると話す。
幼稚園・保育園を巡っては、人手不足などに起因した不適切保育や、炎天下で園児をバスに置き去りにする事故が発生している。まかせてIT DXシリーズでは、GPSやBluetoothの技術を応用したBLEタグを園児に持たせ、万が一、点呼漏れがあった場合に警報が鳴るシステムを選択できるメニューも用意している。(安藤章司)