ベルシステム24は11月28日、生成AIを活用してコンタクトセンターの自動化を支援するサービスを開発すると発表した。日本マイクロソフトなどと連携し、顧客応対の通話データから生成AI活用に必要な情報を自動で整備するシステムを開発する。2025年内の提供を目指す。
開発するのは「Hybrid Operation Loop」。顧客応対の音声データから自動応答に必要な情報を抽出し自動で整備するシステムで、類似性に加え情報同士の関連性を考慮してデータの検索ができるようになる最新の検索拡張生成(RAG)も活用し、回答精度の高い情報(ナレッジ)を構築する。
加藤 寛 執行役員
開発を担当する執行役員の加藤寛・デジタルCX本部長は、コンタクトセンターにおける生成AI活用について、回答精度が6~8割にとどまっていることがボトルネックだと指摘。「ナレッジやコンテンツの質が課題になっている。高鮮度、高精度なナレッジがあれば生成AIの回答精度を上げることができる」として、コンタクトセンターに蓄積した通話音声データから、ナレッジベースを自動構築するシステムを開発する狙いを説明した。
コンタクトセンターでは応対内容の要約システムや自動応答のチャットボットなど、オペレーターの業務負担軽減に向けた生成AIの活用が進んでいる一方で、応対マニュアルや文章化されていないオペレーターの属人的なノウハウなど、生成AI開発に必要なデータの整備や更新にかかる手間が課題となっているとして、これらを解決するとした。
自社でコンタクトセンターを運営する企業をターゲットとする。特にコンタクトセンターでのオペレーター確保に苦戦する企業を中心に訴求を図り、生成AIの活用で業務効率化を支援する。導入時のサポートなど関連するBPO事業と合わせて5年後に500億円の売り上げを目指す。
(堀 茜)