OKIは3月、倉庫業向けに物品の位置情報を管理するSaaS「SHO-XYZ(ショザイ)」の販売を開始する。物品に二次元コードや無線タグを張り、倉庫のどこにあるかを作業員のスマートフォン上の倉庫図面に表示する。中小規模の倉庫では表計算ソフトで物品の場所を管理するケースが多く見られ、「物品の場所を倉庫の間取りを示した図面に視覚的に表示できず、保管場所が分からなくなる課題があった」(吉原和英・ビジネス開発部物流・地域DXチームチームマネージャー)。SHO-XYZを使うことで物品を探す時間をほぼゼロにすることで作業効率の向上を目指す。
吉原和英 チームマネージャー
同社によると、全国に約12万棟ある倉庫のうち半数は1000平方メートル以下の中小規模で、倉庫管理システムの普及率は3割程度、完全自動倉庫は1割以下にとどまる。表計算ソフトなどで物品を管理する場合、在庫の有無は確認できても、倉庫内のどこにあるのかが分からなくなり、「行方不明になった物品を探すのに数時間費やすことも珍しくない」(青木聡・イノベーション事業開発センター 企画室室長)という。
青木 聡 室長
SHO-XYZでは倉庫に入荷してから保管、出荷まで、物品に張られたコードやタグをスマホや、RFIDリーダーなどの汎用端末で読み取り、自動的に追跡することで、物品を探す手間をなくすことができる。
利用料金は利用人数2人、倉庫図面1枚で月額5万円(税別)からで、2028年度までにSaaS利用料や導入支援サービスなどを含めて累計13億円、1000倉庫への納入を目指す。販路は倉庫業や倉庫管理システムの構築に強い販売パートナー経由を主軸に据え、すでに倉庫業に強いユアサ商事での販売が決まっているという。
(安藤章司)