米Akamai Technologies(アカマイ・テクノロジーズ)日本法人は3月24日、記者説明会を開き、2025年の事業戦略を発表した。日隈寛和社長は「アカマイはサイバーセキュリティーとクラウドコンピューティングの企業として進んでいく」と方針を述べ、注力分野となる二つの事業について説明した。
日隈寛和 社長
説明会の冒頭で日隈社長は、グローバルの売り上げについて説明。2014年は売り上げの85%をCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が占めていたが、24年はCDNが33%、セキュリティーが51%、クラウドが16%となり、構成比が変化していることを明らかにした。CDNに関しては「市場が成熟し、価格競争が激しくなっており、売り上げが減少している」(日隈社長)ものの、「セキュリティーとクラウドはCDNの超分散型のアーキテクチャーの上に成り立っており、重要なインフラだ」と述べた。
近年、大きな成長を遂げるセキュリティー事業では、インフラセキュリティー、アプリケーションセキュリティー、APIセキュリティー、ゼロトラストセキュリティーの四つの分野で製品を展開。加えて、マネージドセキュリティーサービスといったサービスの充実も進めている。
クラウド事業について日隈社長は「ようやく機能とインフラが整った」とし、最新GPUなどのコンピューティングをはじめ、ストレージ、データベースといった機能を提供する。国内においても、動画配信サービス事業者などが同社のクラウドを利用するなどの事例が出てきているとした。
営業面では、従来から取り組んできた業種別の営業チームによる活動に引き続き注力する。マーケティング活動は、7月と9月に自社イベントを開催するほか、展示会への出展などを通じて、セキュリティーとクラウドの認知度向上を図る。
(岩田晃久)