HR領域を支援するスタートアップのPeopleXはこのほど、記者説明会を開き、AI面接官サービス「People XRecruit」の提供を開始すると発表した。大規模な新卒採用を実施する企業への拡販を目指す。AI面接官によって企業の採用活動の一部を自動化し、従来の書類選考では測れなかったスキルの把握が可能になるとしている。バイトの採用で面接回数が多い飲食や小売業界への導入も見込む。

　People XRecruitは企業の採用活動における一次面接での活用を想定しており、AI面接官との会話を通して志願者の資質を判断するサービス。質問事項や言葉遣いなどは顧客が柔軟に設定できる。AIの判断で志願者の回答内容に質問を重ねて、深掘りすることも可能だ。採用担当者は自動で生成される評価レポートや会話の履歴、録画データを参照できる。

　AIを利用するため、日時を選ばずに面接ができる点を訴求する。バイトを募集する企業に対しては、店舗内に設置する2次元バーコードから面接を受けられるようにするなど、気軽に応募できる仕組みを提供する。
 
　橘大地・代表取締役CEOは「AI面接官と英語で会話したり、営業のロールプレイングをしたりするなど、採用業務の効率化やコストダウンだけではなく、最終面接前の技能の確認にも利用されるようにしたい」と述べた。

　パートナーによる拡販に期待を示す。すでに三井住友フィナンシャルグループの子会社であるプラリタウンとパートナー契約を締結していると紹介した上で、橘代表取締役CEOは「（パートナーと共に）全国へ拡販していきたい」と意気込んだ。

　このほか、人事部門向けのAIエージェント製品「HR Operator」なども発表した。
（大畑直悠）