米Veeam Software(ヴィーム・ソフトウェア)日本法人は4月16日、事業戦略説明会を開いた。ワンストップで顧客をサポートするパートナーを増やすほか、クラウド向けのセキュリティー環境を構築できるクラウドインテグレーター(CIer)のパートナーを拡大する。中堅・中小企業向けの訴求も強化する。パートナーとの協業で国内販売ナンバーワンを目指す。
古舘正清 社長
古舘正清社長は、2024年度のビジネスについて、国内市場の平均に比べて10倍程度の高い成長を実現したと説明。国内市場でのシェア1位を目標としているが、「早ければ25年度中、遅くとも26年度中には達成できる」との見通しを示した。25年度の戦略として、ランサムウェア感染からの復旧サービスの開始、クラウド環境においてスタンダードなバックアップツールとして自社製品の標準化を目指すことなどを挙げた。古舘社長は長期的な目標として「30年に国内シェア50%を目指す」と意気込んだ。
同社はこれまで主にエンタープライズにフォーカスしてきたが、国内市場でナンバーワンを目指す上で、中堅・中小企業への訴求を強化する。古舘社長は、競合ベンダーであるArcserve Japanで長年社長を務めた江黒研太郎氏を副社長兼パートナー営業統括本部本部長として迎えたことを紹介。江黒副社長が、25年度のパートナー戦略を説明した。
パートナー戦略の注力ポイントは▽ワンストップサービス拡大▽クラウド環境での訴求▽中堅・中小企業向けーの3点。ワンストップサービスは、システム、ソフト、ハードを一括で取り扱い、高品質なサポートをワンストップで顧客に提供できるSIerが対象。すでに日立製作所などとワンストップパートナー契約を締結しており、さらに拡大していく。またクラウドセキュリティー領域でシェア拡大のため、CIerのパートナー拡大も狙う。
江黒研太郎 副社長
江黒副社長が「(私の役割として)最も期待されている」としたのが、中堅・中小向けのパートナー拡大だ。「中堅・中小向けには当社は2番手で、チャレンジャーの立場」とした上で、訴求ポイントとしてエンタープライズレベルのバックアップ機能を、中堅・中小企業が段階的に導入可能な点を説明。パートナー経由で顧客に自社製品の強みを伝えて拡販を目指す。地方における拡販にも注力し、5月以降全国でセミナーを開催する。
(堀 茜)