AIソリューションなどを手掛けるpluszeroと、コールセンタービジネスなどを展開するアップセルテクノロジィーズは5月20日、共同で開発したコールセンター特化型の国産AIオペレーター「miraio(ミライオ)」の発表会を開いた。24時間365日いつでも音声で自動応答ができるうえ、人間的なコミュニケーションを実現したとしている。企業の電話対応のための人件費などコスト削減に貢献する。
アップセルテクノロジィーズのAIによるトークスクリプト自動生成技術と、人間のように意味を理解できるpluszero独自の「AEI(Artificial Elastic Intelligence)」を組み合わせ、開発したAIビジネスライセンス「PUT(プット)」を基幹エンジンに据えた。PUTをコールセンター用に特化させることで、ハルシネーションのリスクを抑えている。
対象は企業や金融機関、飲食店などで、会話サンプルやマニュアルを準備することで導入できる。利用料金はユーザーにより異なるが、人間のオペレーターを1人雇うよりもコストを下げられるという。
pluszero
小代義行 会長兼CEO
pluszeroの小代義行会長兼CEOは「汎用性は低いが対応に柔軟性があり、回答内容にも信頼性がある」と強みを解説。アップセルテクノロジィーズの高橋良太会長CEOは「音声ボットは会話が成立しなくなることがあり、『ChatGPT』は人間的だが間違うかもしれない。両者のいいところどりをしたのがmiraioだ」とアピールした。
アップセルテクノロジィーズ
高橋良太 会長CEO
開発に際して行ったコールセンターに関する調査によると、音声ガイダンスや自動応答システムに対し、回答者の約70%が問い合わせを途中で断念したことがある。問題が解決しないことによる顧客側のストレスもあり、オペレーターらの多くはカスタマーハラスメントを受けた経験を持つ。両社はmiraioでこうした課題の解決も進める。
(下澤 悠)