基幹業務システムの導入支援を手掛けるExas(エクサス)は、生成AIを活用して業務システムのユーザーインターフェース(UI)を生成するツール「サファイア(仮)」を来年度(2026年12月期)の早い段階での発売を目指す。すでにユーザー企業との実証実験が進んでおり、「システム開発の生産性が高まることが実証されつつある」(田口裕一代表取締役)と手応えを感じている。
田口裕一 代表取締役
サファイアはユーザー企業の業務要件に合わせてUIを自動生成するツールで、「ユーザーの業務担当者と打ち合わせしながら、アジャイル的にUIを生成することでイメージをつかみやすくしてもらう」(同)ことを目的としている。
開発工程については、Exasの担当者がプロダクトマネージャー(PM)業務を担いつつ、実際の開発はSIerに任せるケースが多い。このPM業務を代行または補佐するAIエージェントの開発も検討しており、実現すればプロジェクトの生産性やQCDが高まることが期待されている。
同社は2023年設立のスタートアップ企業で、中堅企業の基幹業務システムの個別開発プロジェクトを中心に累計30案件ほどを支援してきた。中堅企業は限られた予算内で販売管理システムなどを独自に構築しているケースが少なくなく、「既存のパッケージやSaaS型のERPがなじみにくい傾向が見られる」(同)という。
UI設計やPM機能をAIに担わせることでコスト削減や納期短縮を図り、中堅企業ユーザーが手組みで基幹業務システムを構築する際の負担軽減を進めることでビジネスを伸ばしていく。将来的には「AIを駆使して基幹業務システムのロジック部分の生成にも挑戦したい」(同)と意欲を示す。
(安藤章司)