クラウドERPを展開するインフォアジャパンは10月28日、業界特化型のAIエージェントを発表した。業界標準のプロセスをもとに、自律的に業務を遂行する。
「Industry AI Agents」は製造業や流通業、サービス業向けに構築されたAIエージェント。業界固有の課題や要件に対応し、一連の業務を人手を介さずに行う。「Agentic Orchestrator」が中枢として動作し、データやエージェント同士を連携する。
業務自体の最適化に加え、診断フェーズの自動化も進める。遅延など工程に関する異常があれば、背景も含めて洞察を提供する。業界知識を持ち合わせていることで、標準工程からの逸脱や課題発生の要因の発見が容易になるという。
米infor(インフォア)のカーステン・アレグリ・ウィリアムズ・CMOは、業界に特化したプラットフォーム上でAIエージェントを活用することで、処理時間の短縮や人的負担が軽減できると強調した。
米infor カーステン・アレグリ・ウィリアムズ・CMO
製造業の76%がテクノロジー投資拡大へ 調査結果公表
インフォアジャパンは製造業を対象にした調査結果も公表し、プロセスの透明性確保や、IT活用といった先行対応、データ活用などが生産性向上に寄与すると分析した。国内企業の76%が今後3~5年でテクノロジー投資を増やす見込みと回答。71%は生産性が20%以上向上すると答えた。
ウィリアムズ・CMOは生産性の高い組織と低い組織の間にギャップが存在していると指摘。「技術を受け入れる文化がその差を埋め、成長を促す可能性がある」と話した。(春菜孝明)