Splunk Services Japanは10月23日、記者説明会を開き、オブザーバビリティーの現状に関する2025年版レポートについて解説した。日本とグローバルの結果を比べ、日本ではツールの分散により可視性が低下している現場の状況が考えられ、AIへの期待と実際の運用の間のギャップが比較的大きいと指摘。分析結果から改善の方向性も提言した。
調査は世界9カ国のIT運用担当者らが対象。オブザーバビリティーチームのストレス要因の第一位は「ツールの分散」(日本65%、グローバル59%)で、アラートの見逃しも日本のほうがやや多く発生していたとしている。またAIへの期待値は高い一方、利用率はグローバルより低かった。AIの活用で本来効率化ができるはずが日本では53%の回答者が「AI監視による新たな業務負荷」を実感しており、グローバルでは47%だったという。また日本を含むグローバルの傾向として、オブザーバビリティーとセキュリティーのチームが連携することで、顧客に影響するインシデントが減少するなどのメリットが生まれると分析した。
末永真理 アドバイザー
調査を踏まえた提言として▽インシデントに最も関係の深いチームを一つに絞り込むことや事後レビューの習慣づけで同じ失敗を繰り返さないこと▽アラートの精度向上などで管理を強化すること▽AIに有効なデータ品質の基準を定めることーなどを推奨。末永真理・オブザーバビリティアドバイザーは、「国内ではアラートの一元管理・集約をしてツール統合による情報共有を進め、データ基盤と一体となったAIの実践的な環境を整備することも大事になる」と話す。
その上で、同社のデータプラットフォームはオブザーバビリティーとセキュリティーのデータを統合。部門横断的な連携ができ、アラートも一元管理しAIで誤検知を削減しているため、オブザーバビリティー向上を支援できるとアピールした。
(下澤 悠)