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日本ヒューレット・パッカード、ハイブリッド環境の運用をAIで自動化 「GreenLake Intelligence 」を提供へ
2025/09/04 16:00
週刊BCN 2025年09月08日vol.2074掲載
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は8月29日、AIを活用したハイブリッドIT環境の運用に関する記者説明会を開き、複数のAIが連携してサーバーやネットワークの運用を自動化する「GreenLake Intelligence」を紹介した。従来は管理者が手動で担う障害対応や最適化作業を、AIが自律的に実行する。2025年第3四半期から段階的に提供を開始し、まずはネットワーク領域から展開する予定だ。
GreenLake Intelligenceは、複数の専門AIエージェントがメッシュ状に連携してハイブリッドクラウド環境の運用を支援するシステム。各エージェントが自律的に分析・推論を行い、システム全体の最適化を継続的に実行する。
技術基盤にはMCPを採用し、サーバー、ストレージ、ネットワーク、オブザーバビリティーなど各領域の専門エージェントが相互に通信し、協働してフルスタックでの運用管理を行う。
例えば、管理者が「2コアで4GBメモリーの仮想マシンを50台展開」「レイテンシー50ms未満」「月額5.5ドル以下」「フルスタックの可観測性を実装」といった複雑な要件を自然言語で指示すると、複数のエージェントが協議して構成案が示され、管理者は最適案を選択するだけで実装が完了する。
GreenLake Intelligenceはまず、ネットワーク領域の「HPE Aruba Networking Central」から実装される。この中には15以上の専門エージェントが存在する。
エージェントは、リアルタイムでデバイス情報やネットワークトポロジーなどを監視・分析するタイプと、技術ドキュメントやサポートケースといった静的な情報を扱うタイプの2種類に分かれ、自律型マルチエージェントオーケストレーターの管理下で連携動作する。
活用例として、ワイヤレスクライアントのローミング中における認証失敗を自律的に検知・分析するケースが紹介された。認証失敗を受けたエージェントは特定の技術規格とクライアント側の一部に互換性がないことを特定。これを無効化した場合の影響をシミュレーションした上で、解決策を提案した。
執行役員の中村史彦・プリセールス統括本部長は「人が運用ツールを駆使し、技術ドキュメントを確認して対応した場合、どれだけ早くても数時間はかかる。GreenLake Intelligenceによって、数分で根本原因を見つけて解決に導ける」と話した。
今後はインフラレイヤー以外に、データ基盤や実行環境、ソフトウェア、オペレーションと幅広い領域での展開を予定する。中村執行役員は「(GreenLake Intelligenceで)日々の運用ライフサイクル全体の生産性を向上させ、運用チームがよりイノベーティブな活動に焦点を当てることができる」と述べた。
(藤岡 堯)
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は8月29日、AIを活用したハイブリッドIT環境の運用に関する記者説明会を開き、複数のAIが連携してサーバーやネットワークの運用を自動化する「GreenLake Intelligence」を紹介した。従来は管理者が手動で担う障害対応や最適化作業を、AIが自律的に実行する。2025年第3四半期から段階的に提供を開始し、まずはネットワーク領域から展開する予定だ。
GreenLake Intelligenceは、複数の専門AIエージェントがメッシュ状に連携してハイブリッドクラウド環境の運用を支援するシステム。各エージェントが自律的に分析・推論を行い、システム全体の最適化を継続的に実行する。
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